東北の山の花を訪ねて
花の名山めぐり 〜 エピローグ 〜
[ 旅行を振り返って ]
せめて年内には完成させたいと考えていたのに、今年も間もなく門松がとれる時期になってしまった。画像の編集・選択、文を書くに当たっての資料整理に思いのほか時間がかかって、ようやく執筆を始めたのが正月休みに入ってからだった。いつも旅行記を書くときは、"何か全編に共通するテーマをもって"
と決めていて、今回は山にまつわる歴史やその成り立ちなどに重点を置いたつもり。
東北の山についていろいろ調べていると、花の時季には、雪解けの初夏の頃と7月末から8月上旬にかけての盛夏の二つあることが分かった。もちろん、秋には秋の良さがある。どちらにも魅力はあり、咲く花の好みによって時季を選ぶことになるが、最終的には梅雨の過ぎるのを待ち、花の種類も多そうな無難な時季での旅行を計画した。
体力的にすこしでも余裕のあるうちに遠方へ出かけようと思い、昨年までは北海道、今年から東北へと場所を移した。8日間で6つの山を登るのは、それだけを聞けば大変そうに思われるかもしれないが、今回は早池峰山を除いて八合目あたりまで車で行くことができる山ばかりを選んだので、体力的にはそれほど疲れを感じることなく旅行を続けることができた。どの山もそれぞれに個性があって、"さすが東北の名山"
と思わせる風情があり、たっぷり楽しませてくれた。
今回の東北旅行で撮った花は135種類。写真に残さなかった花を含めると見れた花は160種類以上にはなったと思う。そのうち、50種類が自分で作った花図鑑にはない花で、いわば初見の花。その意味では大きな収穫があった。特に早池峰山ではその特異な土質からか、初めて見た花が多かった。"処変われば品変わる"
とはこのことで、季節を変えて訪れたらさらにその数が増えることだろう。
今年もこれまでと同じように、旅行中の宿泊はほとんど民宿を利用した。行く先々で親切にしてもらったり、貴重な情報をもたらしてくれたりと、暖かいもてなしをしていただいたことが何よりも嬉しかった。民宿には情の通い合うふれあいがあるから楽しい。
次回の旅行もできればもう一度東北へ行ってみたいと思う。今度は季節を変えて初夏。雪解け直後、一斉に咲き揃う花たちの姿を見てみたい。今、考えているのは、八甲田から岩木山、白神山地、鳥海山、焼石岳を巡り、機会があれば栗駒山へも再度訪れてみたい。幸い、今年の旅行で真夏の山がどんな様子かは知ることができ、およその見当はつく。ただ、その時期は残雪が多そうなのでアイゼンが要るかもしれない。こんな想像を膨らませながら夏を待つ。
[ 参考文献など]
この旅行際して、計画を立てるために準備した図書・地図のほか、旅行記作成など後日の参考のために旅行先で買い求めた本などをご紹介します。
[ 計画を立てるために集めた本・地図 ]
名 称 |
著 者 |
出 版 社 |
東北北部の山々 |
石橋睦美・藤原優太郎他共著 |
山と渓谷社 |
花の山旅11「早池峰・秋田駒・焼石岳」 |
早川輝雄・藤原直美・遊佐悟 |
山と渓谷社 |
花の山旅2「八甲田・八幡平」 |
一戸義孝 |
山と渓谷社 |
山と高原地図「岩手山・八幡平・秋田駒」 |
藤原優太郎 |
山と渓谷社 |
山と高原地図「栗駒・早池峰」 |
早川輝雄 |
山と渓谷社 |
山と高原地図「鳥海山・月山」 |
斉藤政広 |
山と渓谷社 |
山歩きガイドマップ「早池峰山・焼石岳」 |
早川輝雄 |
(株)デージーエス・コンピュータ |
山歩きガイドマップ「秋田駒ケ岳」 |
早川輝雄 |
(株)デージーエス・コンピュータ |
登山道で出会える花 |
岩崎元郎他共著 |
NHK出版 |
登山道で出会える花「北海道・東北エリア」 |
坂井道子他共著 |
NHK出版 |
TOURING MAPPLE 東北 |
昭文社 |
昭文社 |
[ 旅行中に買い求めた本 ]
名 称 |
著 者 |
出 版 社 |
早池峰連嶺の花 |
土井信夫 |
文化出版局 |
花の山 八幡平の花 |
高橋秀洋 |
熊谷印刷出版部 |
新・花の山 秋田駒ケ岳・乳頭山を歩く |
田沢湖観光協会 |
田沢湖観光協会 |
栗駒山の自然を訪ねて |
「一関の自然」刊行委員会 |
(株)一関プリント社出版部 |
月山 花讃歌 |
芳賀竹志 |
崙(ろん)書房 |
フラワートレッキング 蔵王連峰 |
日野 東・葛西英明 |
無明社出版 |