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礼文・利尻の花めぐり 〜 岬めぐり 〜

6月10日(木) 晴れ

 [ 行程 ]
礼文島・宿 ==> (バス) ==> スコトン岬 ==> 鮑古丹 ==> ゴロタ岬(ゴロタ山) ==> ゴロタノ浜 ==> 鉄府浜 ==> 西上泊 ==> レブンアツモリソウ群生地 ==> 浜中 ==>  (バス)  ==> 礼文島・宿

ゴロタ岬からスコトン岬方面を望む

[ 4時間コース ]
4時間コースは、島の最北端にあるスコトン(須古頓)岬から鮑古丹(あわびこたん)を経てゴロタ岬へ登り、ゴロタノ浜へ下って鉄府(てっぷ)海岸、スカイ(澄海)岬、西上泊(にしうえどまり)までの海岸線を辿り、レブンアツモリソウの保護地を経て久種(くしゅ)湖畔の浜中(はまなか)に至る延長13kmの岬めぐりトレッキングコース。このコースはなんと言っても花が咲き誇る岬、あくまでも青く済みきった海、そして紺碧の空が程よく調和して美しい風景を見せてくれる絶景コース。写真の撮影など忘れてゆっくり景色を愛でながら歩いてみたい気分にさせるところでもある。

全日程中この日だけは目的地までバスで行った。民宿のすぐ前にバス停があり、そこからスコトン岬までは約50分の道程。もっともバスは手を挙げればどこでも停まってくれるそうだ。6時30分発に乗ったので7時半前にはスコトン岬に着いた。この地はかつて「シコトントマリ」と呼ばれていたそうで、岬の手前にある小さな港の名が地名の元になったようだ。ここからロシア領サハリンまでは約100kmというから最果ての地というにふさわしい。なお、日本で最北の岬は稚内の宗谷岬ということなのでお間違えのないように。

スコトン岬の岩礁 スコトン岬の岩礁 エゾタンポポ ハクサンチドリ
ゴロタ岬 チシマフウロ チシマフウロ チシマフウロ

岬の突端にある「トド島展望台」まで行ってみたが深い霧に包まれて眺望がきかないので早々に引き返した。さて、いよいよ4時間コースへと出発。しばらくはいまバスで来た道を戻ることになる。右手の原っぱがエゾタンポポで黄色に染まっている。そういえば、飛行機から稚内空港近くの地上を見たときも、ところどころに黄色の花が一面に咲いている畑のようなところがあったが、エゾタンポポの群生だったのかもしれない。鮑古丹を過ぎてゴロタ山にさしかかると斜面にポツポツとチシマフウロ、ハクサンチドリが咲いていた。

ハマハタザオ オオミミナグサ オオミミナグサ オオミミナグサ
スコトン岬方面 ハマエンドウ ハマエンドウ ゴロタ岬

[ ゴロタ岬 ]
時間が経つにつれて徐々に霧が晴れて来た。山道から海を見下ろすと青く透き通った海が素晴らしい。ときどき霧が昇ってきては岬を隠すこともあるがそれも短時間で消える。オオミミナグサはその名の通り、普通のミミナグサと比べるとかなり花が大きく、花径は1cmほどもある。これとよく似た花に「オオバナノミミナグサ」というのがあるが、オオミミナグサと比べると葉が小型で茎があまり立ち上がらないので区別できる。

ハマエンドウにしてもハマハタザオにしても、海辺に咲く野草はおおむね葉の肉厚が厚く、しかもよく似ているので葉だけを見ていると区別がつきにくいものもある。ゴロタ山の頂上は標高180m。ここから北方面を見るといま歩いてきたスコトン岬が上部だけ霧に隠されて横たわっていた。南方向には稲穂ノ崎の向こうに利尻富士を望むことができる。また東方向に目を転ずると、大きく湾曲した船泊(ふなどまり)湾の先に金田ノ岬が海に向かって突き出している。どちらを向いてもしばらくの間じっと眺めていたくなるような景色だ。

ハマハタザオ コウボウムギ ネムロシオガマ ヒメイズイ
稲穂ノ崎方面 キジムシロ 船泊湾方面 スコトン岬方面

コウボウムギは、穂の形が麦に似ており、別名が「フデクサ」のとあるように、地下茎の節にある古い葉鞘の繊維を筆として使ったことから、弘法大師にちなんで付けられた名と言われている。ヒメイズイの「イズイ(萎蕤)」とは、アマドコロ(甘野老)の仲間の総称で、アマドコロの中国名とされ、漢方薬の名前でもある。冠に「ヒメ」の文字がついて小型のアマドコロという意味。この二つとも初見の花で、見たときには北海道特産かと思ったが、私の住んでいる地方でも見られるらしい。

ゴロタ岬を下り、ゴロタノ浜から鉄府の浜へと海沿いの道をしばらく歩くと、鉄府の港の付近から上り坂になる。登りきったところは道幅の広い立派な舗装道路で、右に折れると西上泊方面、左方向へ行けばレブンアツモリソウの保護地からトレッキングコース終点の浜中へ出る。どちらへ行こうかと迷ったが、ここへ来るまでにかなり時間を要していたので左方向を選択した。レブンアツモリソウは、昨日とはうって変って強い日差しを受けて輝いていた。それはいいのだが、撮影には天気が良すぎて露出補正にはとまどった。

センダイハギ ネムロシオガマ 鉄府浜・稲穂ノ崎方面 鉄府浜・ゴロタ岬方面
レブンアツモリソウ

この日は結構長時間歩いたが、景色や花に見とれて撮影の合間に歩いたようなものだったので、ほとんど疲れは感じなかった。宿までの帰りもバス。途中、高校生が乗ってきたぐらいで車内は空いていた。明日は海を渡って利尻島へ。荷物を再整理して一つのリュックに詰め込み就寝。



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