プロローグ 湯殿山 雨の鳥海山 鳥海山登山 雨の月山 Menu HOME





花の名山めぐり 〜 湯殿山 〜


7月21日(火) 

[ 行程 ]
中部国際空港 JAL3171==> 仙台空港 K20 ==> 仙台空港I.C 仙台東部自動車道 ==> 仙台若林JCT 仙台南部自動車道 ==> 仙台南IC 東北自動車道 ==> 村田JCT 山形自動車道 ==> 月山I.C R112.有料道路 ==> 湯殿山神社 有料道路.R112 ==> 湯殿山I.C 山形自動車道 ==> 酒田みなとI.C K69.R7 ==> にかほ市・象潟
 (注) 道路番号の「R」は国道、「K」は県道。道路番号がないところは徒歩。
  [周辺地図]

[ 雨中の旅立ち ]
  目を覚まして外を見たらやはり雨。これは想定内のこと。今日の飛行機は、中部国際空港を8時55分発の仙台行きJAL3171便。空港までは地下鉄、名鉄電車「ミュースカイ」を乗り継いで正味45分もあれば行くことができる。とはいうものの、時間を気にしながら出かけるより、空港でコーヒーの一杯でも飲めるぐらいのゆとりをもって自宅を出るとなると、7時には自宅を出発しなければならない。幸い、空模様は小糠雨程度で傘も要らないぐらい。

 8時40分、カメラバッグだけを手に提げて機内へ。仙台空港まではわずか1時間余。ポケットに入れておいた文庫本を取り出して読み始め、調子が出始めたころには仙台到着の機内アナウンス。窓ガラス越しに外を見ると、こちらは名古屋より少し強い雨が降っている。到着ロビーでリュックを受け取ってから空港内にあるレンタカーの受付へ。この便でのレンタカーを借りる客はどうも私一人のようだったが、予め予定到着時刻を知らせてあったので迎えの車が既に待機していた。

 レンタカー会社の営業所を出たのは10時40分ぐらいだったろうか。この日は、もし天気が良ければ蔵王山へ寄って行くつもりでいたが、生憎の雨とあってまずは湯殿山へ行ってみることにした。空港からは仙台東部・仙台南部自動車道と東北・山形自動車道を合わせて高速道路が134km。月山インターチェンジで山形自動車道を降りて「月山花笠ライン」とも称される国道112号線に入り、約11kmほど走ると湯殿山神社へ向う有料道路道があった。

湯殿山神社入り口

[ 湯殿山神社 ]
  有料道路といってもわずか4kmほどしかなく、しかも林道のような道。ここまで来るまで気がつかなかったけど、いつの間にか雨は止んでいた。ゆっくり車を走らせていくと道の両側には種類は少ないものの、そこそこ野草が咲いているのが見えた。まず目に飛び込んできたのはヤマアジサイ。花の色は圧倒的にブルーが多い。愛知県の山中で見るヤマアジサイはほとんど白色なのとは対照的。これは気候によるものか、それとも土質の違いによるものなのだろうか。走り初めてすぐ道端に黄色の花が見えた。車を止めて見ればタマガワホトトギス。なんと無造作に咲いていることだろう。

ヤマアジサイ ヤマアジサイ タマガワホトトギス タマガワホトトギス

 ところどころに山へ入る細い道があり、その都度車を降りては様子を見てみた。そこで偶然見つけたのがオニノヤガラ。この花は面ノ木でも咲くというが未だ見たことがなかった。まさかこんなところで出会うとは思わなかっただけになんか儲けものをした感じ。ノリウツギはこの日から東北に居る間中、どこへ出かけても見かけた。トウバナ属には、トウバナのほかヤマトウバナ、イヌトウバナなど、非常によく似た花がある。ここに掲げたものは花のつき具合から最もトウバナに近いのでは、と思うのだが・・・

ノリウツギ ヤマブキショウマ? キツリフネ キツリフネ
オオウバユリ オニノヤガラ ギンリョウソウ トウバナ?

 湯殿神社への入口に着き、"さあこれから少し山を登ってみるか" と歩き始めたとたん、止んでいた雨がまた降り出した。しばらく様子を見ていたけど雨は強くなるばかり。気がついたらもう昼を回っていたので駐車場近くの食堂に入って昼食。ザル蕎麦を注文したけど、味はイマイチ。いつまで経っても雨は止む気配がないのでここを切り上げて宿への道を急ぐことにした。

 再び国道112号線に戻り、約12kmほど行くと山形自動車道・湯殿山I.Cへ入る。ここから「酒田みなとI.C」まではほとんど行き交う車もなくスイスイと走れる。そのうち、私を先導するように前を走っていた車の姿がちょっと遠くなったと思ったら、後から来た車がその後を追い、しばらくしたら2台の車が路側に止まっていた。後の車の屋根にはいつの間にか赤灯が載せられている。なんと、覆面パトに御用となってしまったのだ。ちょっと間違えば自分がそこに居たかもしれない。


[ 十六羅漢岩 ]
 「酒田みなとI.C」で山形自動車道と別れを告げ、国道7号線を一路北上する。道は「羽州浜街道」の別名のとおり海岸線に沿って伸びており、遠く青森に至る。今日の宿は秋田県「にかほ市」の象潟(きさかた)。鳥海山は山形県と秋田県の県境に位置しており、標高は2236m。登山道はいくつかのルートがあるが、今回登る「鉾立ルート」は、山形県側の遊佐町吹浦を起点とする県道と秋田県側の「にかほ市」象潟町を起点とする県道が結ばれる「鉾立」が登山道の入り口。この両県道を「鳥海ブルーライン」と呼んでいる。

 鳥海ブルーラインの山形県側の起点は、国道345号線との交点にあり、そこの海岸には「十六羅漢岩」がある。十六羅漢は、曹洞宗海襌寺二十一代目の石川寛海大和尚が江戸時代末期、この地に連なる岩石を利用して十六羅漢その他の像を彫刻したものとされており、現在でも海岸線に奇岩の連なりを見ることができる。そこは公園のようになっていて広い駐車場もあり、国道からも海岸が良く見えるのでちょっと立ち寄ってみた。

ヒメヤブラン

 駐車場に車を止めて歩き始めると、芝生の間に紫色をした小さな花が見えた。そのときには花の名が分からなかったが帰ってから調べてみたら「ヒメヤブラン」。そう言えば誰かの掲示板で最近見かけたばかりだったことを思い出した。十六羅漢岩までは遊歩道のような路が設けられ、海岸にも降りることができた。奇岩の間には何種類かの海浜植物が顔を出しているが、さっぱり名前が分からない。せっかく見つけた花なので名無しではあるがとりあえず掲載することとした。駐車場の石垣の上にはヤマユリが群生しており、大きな花を咲かせていた。

ハマボッス ハマボッス ??? ???
キリンソウ ??? ヤマユリ ヤマユリ

 しばらく写真を撮っていたらまたしても雨。初日にカメラを濡らして使用不能にしてしまっては何しに来たかわからなくなってしまう。ヤッケの中に包み込むようにしてカメラを抱え、急いで車に戻った。ここから宿まではほんの僅かの距離。ナビで電話番号を入力して場所をサーチ。示された場所は非常に分かりやすいところだった。ホテルに着いてから明日の朝食と昼食の弁当をお願いして直ぐに夕食。第一日目はほとんど雨の中だったので "明日こそ" と、期待が膨らむ。テレビで見た明日の天気予報は曇りのち晴れ。その通りになることを祈りつつ早々に眠りに就いた。
 

inserted by FC2 system