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花の名山めぐり 〜 雨の月山 〜


7月24日(金) 雨後曇り

[ 行程 ]
羽黒手向 =K211=> 月山八合目 ==> 弥陀ヶ原 ==> 仏生池小屋 ==> オモワシ山 ==> 仏生池小屋 ==> 弥陀ヶ原 ==> 月山八合目 K211 ==> 羽黒手向 K47.R7 ==> 鶴岡I.C 山形自動車道 ==> 湯殿山I.C R112 ==> 月山I.C 山形自動車道 ==> 村田JCT 東北自動車道 ==> 仙台南IC 仙台南部自動車道 ==> 仙台若林JCT 仙台東部自動車道 ==> 仙台空港I.C K20 ==> 仙台空港 JEX3176 ==> 中部国際空港
 (注) 道路番号の「R」は国道、「K」は県道。道路番号がないところは徒歩。
  [周辺地図]


[ またもや雨の月山 ]
 朝食を食べながらテレビの天気予報を見ていると、今日は曇りのち午後から雨。エーッ! これでは2年前と全く同じじゃあないか。そうは言っても今更目的地を変更するわけにもいかず、とにかく行くしかない。出発は6時半。県道47号線沿いにある月山ビジターセンター前から登山道路へ入る。ここを通ったのはたった2年前だからまだ道は覚えていた。つづら折れの道をどんどん登り、五合目付近にさしかかったとき、フロントガラスにいやなものがボツリと当たった。とうとう降り出したのだ。それにしてもチト早すぎる。

 さらに車の高度を上げて八合目の駐車場に着いたとき、雨はすっかり本降りになっていた。"こんなはずでは・・・"。月山レストハウスで休みながらしばらく雨の様子を見てみるか、と階段を上がっていったらまだ開店前。しかたなく車まで戻って "さて、さて、どうするか" 、しばし思案投げ首。雨は収まるどころかますます激しさを増してきた。"いっそのことこのまま引き返すか" とは言っても "どこへも行くあてはないしなぁ" 。散々逡巡した挙句、"せっかく来たのだから、せめて仏生池小屋までは行ってみよう"。ここでは1時間近くもロスをしてしまった。

月山・仏生池小屋付近から遠く鳥海山(一番奥の山)を望む。

 弥陀ヶ原は木立もなく、横殴りの雨が音を立ててレインウエアーに叩きつける。霧陵坂にさしかかり、雨脚が少し弱くなったかなと思ったら低木が登山道の両脇を囲むようになった。少し時間が経つと、時々雨が止むようになり花を見るゆとりが出てきた。登山道の両脇には笹がびっしり生えていて、"これでは野草が育ちにくいな"などと考えつつ歩いていると右手にピンクの綺麗な花。一瞬、ノビネチドリかなと思ったがよく見ればハクサンチドリ。さらにその先にはなんと、シラネアオイが一輪だけ咲いていた。ここでこの花に会えるとはラッキー。

ハクサンチドリ ハクサンチドリ シラネアオイ シラネアオイ
ハクサンフウロ ハクサンフウロ エゾシオガマ エゾシオガマ

 「一の岳」を過ぎると視界が開けてきた。道も広く緩やかな登りに変わり、歩きやすい。この頃からハクサンフウロ、ハクサンイチゲが姿を見せるようになった。ミヤマリンドウは雨に降られ、寒さに震えてほとんどが花を閉じている。咲いているのは岩陰にあって風を避けることができそうなわずかな株だけ。仏生池小屋が近づくにつれて花の種類も多くなった。嬉しいことにこのころになると雨はほとんど止み、時々陽光さえ射すようになった。

ハクサンイチゲ ハクサンイチゲ ミヤマリンドウ ミヤマリンドウ
ウサギギク ウサギギク トウゲブキ トウゲブキ

 雨の止んだ今のうちに写真を撮っておこうと周辺を歩き回っては花を探す。ここでもウサギギク、トウゲブキなどが咲いていた。雨は止んでいるものの、相変わらず強い風が吹き、写真を撮るのに費やす時間のほとんどは風止み待ち。誰しもシャッターを押すときは呼吸を止めるが、息を止めたままじっとしていると、時には頭がクラクラしてくる。フーッと大きく深呼吸してはまた次の瞬間を待つ。こんなことの繰り返しで1枚の写真を撮るだけでも大変な作業。

仏生池小屋

 多くの写真を撮ったついでに昼食にした。今日は宿坊で用意してもらった握り飯。「おかず」の足しになるものはわずかな「香の物」だけ。いつも食べる段になって "コンビニでおかずを買っておくのだった" と思うのだが後の祭り。時刻を見ると12時少し前。遅くとも午後3時半までには八合目へ戻らないとけない。ここから頂上まで往復するだけでも2時間半はかかる。急いで登ろうとリュックを担いで歩き始めたとたん、また雨がザーッと降りだした。エーッ、ウッソー!。

ミヤマダイモンジソウ ヒナザクラ ベニバナイチゴ コイワカガミ
ミヤマリンドウ ウラジロヨウラク ハクサンイチゲ シロバナハナニガナ

 それでも「オモワシ山」の少し手前までは歩いた。しかし雨は一向に止まない。こんな調子ではたとえ頂上まで行ったとしても予定時刻までに八合目へ戻るのはとても無理。また立ち止まって様子を見る。依然として雨は降り続き風も一段と強くなった。最初の1時間のロスを考えれば "もう下山するしかない" と今来た道を引き返す。ところが、仏生池小屋まで戻ったところでまた雨が止んだ。まるで天気に翻弄されているようだ。ここまで来たらもうどうしようもないので、途中、目に付く花を撮りながら下山した。残念ながら今回も月山には見放されてしまった。

ミヤマリンドウ マルバシモツケ ミヤマダイモンジソウ 遠く日本海を望む

 八合目の駐車場へ戻った時、時刻は2時45分。雨具を片付けたりしていたら3時を少し過ぎた。レンタカーの返却予定時間を6時半にしてあるので、ここから仙台空港までの182km(内、高速道路が143km)を約3時間半で行けばよいことになる。とはいえ雨中の走行でスピードは出せないからそれほど余裕があるわけではない。まさに結果はその通りで、レンタカー会社に到着したのが6時35分。ほぼ予定時刻どおりだった。

 夏の花散策旅行の最後の行事は空港での食事。もう車を運転することはないのでビールを飲みながらゆったりとした時を過ごすのが慣わしとなっている。今回の旅行は、天気に恵まれず予定したコースを十分回ることができなかった。特に鳥海山は、どれぐらいのの体力と時間が必要かが分かったこともあるが、見たいと思っていた花を見ねことができなかったので、機会があればもう一度訪れてみたいと思う。そんなことを考えながら飛行機の人となった。


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