乗  鞍  岳  

Vol.7

11年9月6日(火)
 前回に乗鞍岳を訪れたのは8月31日。その時は天気に恵まれず、イメージしていた写真が撮れなかったこともあって、わずか1週間した経っていないのに再度の訪問となった。今回は現地へ到着したときは雲が多かったものの、時の経過とともに空が晴れ上がり、意図した写真が撮れるかもしれないとの期待が膨らんだ。歩いたコースは、肩ノ小屋口でパスを降り、肩ノ小屋〜富士見岳〜畳平〜大黒岳〜桔梗ヶ原〜畳平というロングコース。

富士見岳からの眺望。鶴ヶ池の後が恵比須岳、右は大黒岳


 この日の目的は、山を背景としたトウヤクリンドウの写真撮影。肩ノ小屋口から肩ノ小屋までの登山道には期待したほどトウヤクリンドウが咲いておらず、僅かに肩ノ小屋付近に見られただけ。しかし、残念ながらどれも花が閉じていた。富士見岳ではそこそこ花が開いているものもあったが、登山路の両側に張られたロープに阻まれて思うような位置から撮れなかったのが心残り。

トウヤクリンドウ
トウヤクリンドウ

 ひょっとしたら大黒岳でも咲いているかもしれないと思い、登ってはみたものの花数が少ない上にほとんどの花が閉じたままで、こちらは空振り。いったん畳平まで戻って昼食。もう花のシーズンも終わりとあって広い駐車場には車が少なく、お花畑も閑散としていた。ここが次に賑わいを見せるのは9月末からの紅葉シーズンだろう。そういえば、シャトルバスから外を見たとき、ナナカマドが赤い実をつけ、木々はほんのりと色づいていた。

トウヤクリンドウ
トウヤクリンドウ

 次は桔梗ヶ原。ここの花数は申し分ないぐらい多くあったが前回と同様に開いている花は稀。天気が良いにもかかわらず開いていないところをみると、訪れる時季が遅かったのか。帰りのバスを待っているとき、畳平でタクシーの運転手に聞いたところによると、今年の夏は気温が低くて寒い日が多かったらしく、そんなことも影響しているのかもしれない。地図を見ると、ここからは穂高連峰が見渡せるはずと思っていたが、バス道の右手(東側)には小高い丘が連なり、山を隠してしまっている。桔梗ケ原からかなり下の見晴らしが良さそうな所まで降りてみたところ、今度は肝心のトウヤクリンドウの姿が見当たらず、なかなかこちらの思うようにはいかない。

乗鞍岳・畳平

 話は前後するが、肩ノ小屋口から肩ノ小屋に至る登山道では、わずかに咲き残ったウサギギクが見れたぐらいでその他の花は終わっていた。大雪渓の前に咲くチングルマは、その名の由来ともなった稚児車を連想させる花姿を見せていた。しかし、これも少々色褪せてきており、それが一層夏の終りを感じさせる。コマクサは桔梗ヶ原で撮ったもの。左の花はアルビノ。右の花は前回撮ったものと同じながら、まだ健在だった。

チングルマの花後 チングルマの花後 コマクサ(白花) コマクサ
コウメバチソウ イワギキョウ イワギキョウ イワギキョウ

 コウメバチソウ、イワギキョウもほとんどが咲き終わり、わずかに残った花も弱々しい。これまで乗鞍岳の花を見た印象では、トウヤクリンドウ、イワギキョウとも8月20日から8月末ぐらいまでが見頃なのかもしれない。今回はかなり欲張ってアチラコチラと見て回ったため、帰りのバスは午後4時6分発の乗鞍高原行。この頃にはかなり寒くなっていてヤッケなしでは居られないほどだった。

ノコンギク ツユクサ アカネ フシグロ
キツリフネ ツリフネソウ カワミドリ クルマバナ

 この日、乗鞍岳への行き帰りに木祖村の林道の2カ所ばかりで車を停めて野草を見た。予想外に多くの種類の花が咲いており、いずれかの機会にゆっくり散策してみたいと思った。サジガンクビソウは初見の花。キツリフネ以降の写真はその折りに撮ったもの。いずれも午前6時、午後6時前後とあって辺りは薄暗く、なかなかピントが合わず、証拠写真程度のものであるが後日の参考のために掲載しておいた。

ゲンノショウコ ナンバンハコベ サジガンクビソウ ゴマナ



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