--- 北信州・秋の花旅'14 ---


9月2日(火)
昨年に気続き今年の秋も北信州を訪れた。毎回同じ場所というのも芸が無いので、今回は初日に湯の丸高原、池の平へ行ってみた。湯の丸高原では写欲を刺激するような花もなくざっと見ただけで次の目的地・池の平湿原へ向かった。駐車場から湿原までは歩いて10分ぐらいだっただろうか。散策路脇にはハンゴンソウ、キオン、ヤマハハコ、アキノキリンソウなどが見られた。湿原に出てすこし歩くとマツムシソウの小群落が点在している。湿原の周囲には木道が設けられ、1周しても1時間もあれば回れそう。

マツムシソウ
マツムシソウ

この時期の湿原の花というばエゾリンドウ。ここは入笠山のような群生は見られず、数株の小群落が木道脇のところどころに咲いているぐらい。あいにく空は曇り。時折山肌に霧がかかるのでそんなタイミングを見計らっては撮影。幸い観光客が少ないので写真を撮っていても通行の邪魔になることはない。静かな雰囲気の中でノンビリ撮影できた。

エゾリンドウ
ヤナギラン

湿原を3/4周ぐらいしたところでまだ元気の良いヤナギランに出会った。途中の路では咲き終わったものばかりだったので花の美しさが一層際だってみえた。この場所だけでも1時間ぐらいは時間を費やした。他に出会った花は、ハクサンフウロ、ゴマナとちょっと最盛期は過ぎたかなと思われるシャジクソウ。クガイソウはたった1輪だけがポツンと咲いていた。湿原の上の小高い丘にはイブキジャコウソウもあつたのだが保護ロープの向こうにあり、しかも周囲が草に囲まれていたので割愛。

ハクサンフウロ キオン ヤマハハコ シャジクソウ
ゴマナ クガイソウ アキノキリンソウ 池の平湿原・鏡池

この日の宿泊は志賀高原の予定で、ここから「浅間―白根火山ルート」を通り、万座から白根山、横手山を経て志賀高原に入ろうとしたところ、浅間―白根火山ルートが白根山の噴火の影響で通行止め。迂回路として国道292号線が案内されていたのでそちらに向かったものの途中の「殺生河原」まで行ったら、こちらは夜間通行止めとのことで来た道を引き返す破目に。宿に別ルートはあるか問合せたところ上田まで戻るしかないとのこと。宿の好意で長野市内の別の宿を紹介してくれたので急遽宿泊先を変更することになった。

9月3日(水)
前日の思わぬハプニングのおかげで昨夜は長野市内のビジネスホテル泊。朝6時には出発しようと思っていたが寝過ごしてしまい、朝食を済ませてホテルを出たのは8時過ぎ。ここから奥志賀高原までは1時間余りの道程。国道292号線をひたすら走ると車窓から小さな沼が見えたので立ち寄ったところ、水面にスイレンが浮かんでいた。林に囲まれた沼はなかなか雰囲気が良く思わぬプレゼントにニッコリ。悪い事ばかりではなかった。

スイレン
スイレン

沼の水際にはウメバチソウが数輪。これを水面に浮かべて撮ってみた。花の背景を水面の明るい部分や暗い部分などいろいろ選んで撮ってみたがスイレンが遠いためイメージした写真にはならなかったのが残念なところ。1時間ばかり撮影した後、さらに車を走らせて昨年訪れた奥滋賀高原へ。そこはスキー場のようでゲレンデにはエゾリンドウの他、ハナイカリ、ウメバチソウが一面に咲いており、文字通り選り取り見取りの状態。あまり数が多過ぎてどれを撮ろうかと迷ってしまい、結果はあまり良くなかった。

ウメバチソウ
エゾリンドウ

エゾリンドウは咲き始めて間もないのか、背丈が低く撮影にはちょうど良い状態。周囲にはアキノキリンソウ、ヤマハハコなども多く見られた。エゾリンドウとアキノキリンソウのコラボをと思って撮ってみたが写真にすると肉眼で見たほどよくない。エゾリンドウをメインにして撮っても、アキノキリンソウの黄色が目立ち過ぎるためまとまりの無い写真になったのかもしれない。ここをどう撮るかはまた来年の宿題。

エゾリンドウ
ウメバチソウ ウメバチソウ ハナイカリ ハナイカリ

最後の目的地は昨年同様、南志賀。近くの喫茶店でまず一休みしてから撮影にとりかかった。カリガネソウは数株が花を付けていたが今年も花の時期に遅れたようでちょっとみすぼらしい花姿。傷んでいる花もあったのでアップで撮るには苦しい。ここでは8月中旬が旬なのかもしれない。今回の花旅は2日間そこそこの天気に恵まれた。土地の人の話によれば8月はほとんどグズついた日が続き、春から一気に秋になったような天候だったとのことで、そういう意味では幸運だったか。

カリガネソウ



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