一般的的なの撮り方   

を選ぶ

 ここに書いた事柄は、「こうしなければならない」というものではなく、一般的な花の撮り方をご紹介したものです。参考になれは幸いです。
 
全体の姿・形を見る
  花の周りをぐるっと歩いて美しく見える位置を探す。
  傷んでいないか、咲き具合はどうか、花・葉・茎(枝)の全体のバランスはいいか。
  蜘蛛の巣の糸がからんだりしていないか。

の当たり具合を見る

ほぼ真上からの光

光の当っているところが白い

順光の特徴
自分の後方または上に太陽があり、花びらの表面全体に光が当たっている状態。
光の強く当たっている部分が白くなってしまい、硬い感じになり易い。

右前方からの光

全体に柔らかい感じがする


逆光の特徴
前方又は斜め前方に太陽があり、花びらが光に透けて見える状態。
花びらの質感が柔らかくなり、花の色も透明感があって鮮明に出る。
紅葉、ハスの花、新緑、花や葉についた水滴などを撮るのに適した光。
私は、逆光で撮ることのほうが多いですね。

と背景の関係を見る
 できるだけすっきりした背景を選ぶ。
 背景が近すぎるとはっきり写ってしまい、ボケ味の利いた写真にならない。
 花の色と背景の色とのバランスに気をつける。

斜め上から撮ったもの
背景がゴチャゴチャ写っている
地面スレスレから撮ったもの
背景はボケてすっきりしている


撮影位置・構図を選ぶ

とカメラの位置関係
 花からの距離(前後関係)、カメラを構える位置(上下関係)、花の向き(左右関係)を少し工夫するだけで一味違った写真が撮れます。
 の全体ばかりでなく、時には花の一部分をクローズアップしてみる。(前後)
 の形によってカメラの位置(高さ)を、花の上・下に変えてみる。(上下)
 の正面から撮るだけでなく、斜め前方・横方向から撮ってみる。(左右)

◇フレーム内でのの位置
 花の向いている方向のスペースを空ける
 フレームの中心から上下、左右どちらかに花をずらしてみる
   (他の「何か」でバランスをとる)。

 

花がぶら下がった状態なので上に配置して、下方向にスペースを取った 花が上向きなのでメインの花を下に置き、奥の花でバランスを取った

 

メインの花を左に置いて、サブの花でバランスを取った 斜め横から撮ったので左前方にスペースを空け、蕾でバランスを撮った


カメラの撮影条件を設定する

◇レンズ・ズーム位置の選択
 広角レンズまたはズームの広角側での撮影
 群生している花や、広い風景を撮るのに適している。
 近くから遠くまでピントが合う(花の全体がはっきり写る)。

 望遠レンズまたはズームの望遠側での撮影
 遠近感を圧縮する効果がある。
 花の前後をぼかして撮りたいときに適している。

◇露出とシャッタースピードの関係
 オートまたはプログラムモードで撮影すると、近いところから遠いところまでピントが合う写真になります。背景をぼかして花だけを浮き上がらせたいときには不向きです。

 前後の被写体をぼかして目的の花が浮かび上がるように撮るには、絞り優先(AまたはAVモード)で撮影を行います。絞り優先とは、絞り(露出の値)を任意に設定し、それに見合ったシャッタースピードをカメラが自動的に選択するという機能で、花の撮影ではこの方法が基本とも言えます。

 露出の値によるピントが合う範囲(被写界深度)の変化
 絞りの値を小さくすると、ピントが合う範囲が狭くなる。
  背景などのボケ味が効いた写真を撮りたいときに設定します。
  大きな花の場合は、一部分だけにピントが合って他がボケることもあるので要注意。
 絞りの値を大きくすると、ピントが合う範囲が広くなる。
  花全体、背景まではっきりした写真を撮りたいときに設定します。

バラのような大きな花を全体がはっきり写るようにするには、露出を絞り込む必要がありますが、そうすると背景もはっきり写り込むようになります。(写真左)
そうした場合は、できるだけ背景が被写体から離れている花を選びます。(写真右)

木の葉に当たった光が丸い粒のようになる距離・露出を選んで撮影 花だけでは味気ないので、花の特徴を出すため、葉の形もわかるように撮影 メインの花だけにピントを合わせて、背景を完全にぼかして撮影

◇ピント位置
 一般的にはシベにピントが合うように撮ります。
 撮影意図によって、最も強調したい部分にピントを合わせます。
  例えば、朝露を撮る場合には水滴にピントを合わせます。
 オートフォーカス(AF)モードでは、カメラが輪郭のはっきりした部分にピントを合
  わせようとしますので、自分の思うところにピントが合わないことがあります。
  そんなときは、マニュアルフォーカス(MF)モードにします。

◇花の写り方のまとめ
 
構図以外の条件で花がどのように写るかは、次の条件によって決まります。
 カメラから花までの距離。
  近いほどピントが合う範囲が狭くなる。
 花から背景までの距離。
  近いほど背景がはっきり写る。背景の木などが遠いほど暗く写る。
 使用するレンズ(望遠・広角)、レンズのズーム位置。
  望遠倍率が大きいほどピントが合う範囲が狭くなる。遠近感が圧縮される。
 絞り(露出の値)。
  値が小さいほどピントが合う範囲が狭くなる。
  白や黄色の花は、画面の中に占める割合が小さいほど、真っ白につぶれやすい。
  逆に画面の中に占める割合が大きいと、白い花が灰色を帯びた色になりやすい。

  こんなときは露出補正機能を使います。露出補正とは、カメラが測定した適正露出を
  強制的に変更する機能です。
  露出をマイナスに補正すると見えた状態より暗く、プラスにすると明るく写ります。
  操作方法はカメラの説明書を読んでください。

 ボケ味の効いた写真。
  花だけを浮かびあがらせて撮るときは、上の要素を組み合わせて、

  ズームを可能な限り望遠側にして、ピントが合う最短距離にカメラを構え、
  絞り優先モードで露出の値を小さくする。ということになります。

  ボケが大きすぎると思ったら、露出の値を少し大きくするか、
  ズームを少し広角側にずらして構図が適当な位置までカメラの位置を移動します。

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