平成16年8月2日・3日、長野県の霧ヶ峰高原・車山高原・御泉水自然園を巡るドライブ旅行に出かけた。台風10号が去った直後で、2日間とも上天気に恵まれ、思う存分写真撮影を楽しむことができた。

 初日は、霧ヶ峰高原、車山高原、矢島ヶ原湿原で花の撮影。2日目は、午前中が霧ヶ峰高原で鳥、午後からはビーナスラインから「夢の平林道」へ抜けて「女神湖」の奥に入ったところにある「御泉水自然園」で花の撮影というスケジュール。

 蓼科、霧ヶ峰周辺には毎年訪れているが、ほとんどが日帰りで急ぎ足のドライブだった。これだけゆっくりできたのは初めてのことで、40種類以上もの花を撮影することができた。

[ 富士山四景 ]

 今回は好天に恵まれ、富士山が良く見えた。左2枚が8月2日の午前10時ぐらい、現地へ着いて間もなくのころ撮ったもの。右2枚が8月3日の早朝、鳥を撮影するときについでに撮った写真。

左に八ヶ岳、右に南アルプス、中央に富士山 八ヶ岳南麓のゆるやかなカーブがとても綺麗 草原、唐松林、富士山のコントラストが印象的 雲の中に富士山の頂が墨絵のように浮かんで幻想的


[ 高原の花(1) ]

 花の写真のほとんどは八島ヶ原湿原で撮影したもので、御泉水自然園での花は僅かの枚数。車山はニッコウキスゲが既に終わっていて、花の種類・数ともそれほど多くなかった。霧ヶ峰高原ではヤナギラン、ヘラバヒメジョオン、シシウドの群落などが目に付いた花。

キンバイソウ アサマフウロ ヘラバヒメジョオン アカバナシモツケソウ
シモツケソウ ハバヤマボクチ コオニユリ クガイソウ
キリンソウ ハクサンフウロ オオカサモチ シモツケ
フタバハギ キバナノヤマオダマキ グンナイフウロ? キジムシロ


[ 穂高連峰と八島ヶ原湿原 ]

 霧ケ峰からは、北・南・中央アルプスが良く見える。さらに条件がよければ富士山も意外と近くに見ることがでる。幸い、両日とも穂高連峰がくっきりと西の空に浮かび上がっていた。
 八島ヶ原湿原は、ゆっくり花を楽しみながら見て回っても2,3時間あれば一周でき、場所によっていろいろな姿を見せてくれるので、散策しているだけでも楽しい。

車山高原から見た穂高連峰 霧ケ峰高原から見た穂高連峰 八島ヶ原湿原で最大の池 八島ヶ原湿にはところどころ浮島がある


[ 高原の花(2) ]

 花写真を撮った後でいつも苦労するのが、花の名前を調べる作業。植物図鑑は植物学的な類別・科別で整理されているため、こんな時にはあまり役に立たない。せめて、季節、花の色などで分類してあればとっかかりがつかめるのだが・・・

イワアカバナ カワラナデシコ カワラナデシコ ノコギリソウ
イブキジャコウソウ ヨツバヒヨドリ キンミズヒキ 調査中
クサレダマ ノイチゴのような シラヤマギク ノアザミ
ハギ ヤマハハコ マルバダケブギ マツムシソウ


[ 霧ケ峰高原の鳥 ]

 霧ケ峰自然保護センター周辺にはノビタキ、ビンズイ、ウグイス、ホオジロ、アトリなどの鳥が生息している。8月3日、午前6時前に起床して撮影に出かけた。日の出には少し遅い時間だが、探鳥にはちょうどいい時間。前日、自然保護センターに立ち寄って探鳥ポイントを聞いたところ、3箇所ぐらい教えていただいたので早速行ってみた。

ノビタキ。頭・顔が黒いので目が見えるように写すのは一苦労。

 ヒンズイかと思ったが、目の上の白い線がないし、身体の色はホオジロそのものなのに顔が全く異なる。どうやらノビタキの雌のようだが、調べても決め手がない。


[ 高原の花(3) ]

 八島ヶ原湿原の花の色を見てみると、黄、白、紫がほとんどで、赤や青の花はあまりみかけない。中でもオミナエシ、シシウド、ヤナギランの濃いピンクがいたるところで目についた。

オミナエシ オカトラノオ ワレモコウ オトギリソウ
ススキの穂 シシウド ヤナギラン ツリガネニンジン


[ 八ヶ岳と南アルプス]

 蓼科山の直ぐ南が八ヶ岳、その少し西側に南アルプスの山々が連なっている。諏訪から甲府に至る盆地の谷筋の先には富士山が優美な姿を見せる。正に、霧ケ峰高原はアルプスの展望台と言える。

早朝の八ヶ岳。白い雲に山稜がくっきり浮び上がっている 霧ケ峰から見た八ヶ岳。雲の流れが速かった 霧ケ峰から見た諏訪・茅野方面。向こうは南アルプス
早朝の南アルプス。霞雲の上にポッカリ頭を出している


[ 高原の花(4) ]

 写真を撮るときは、ホームページへの掲載を意識してどうしても横位置が多くなってしまう。花によってはそんな訳にもいかないので、ここでは縦位置の写真だけを集めてみた。
 ヤマホタルブクロは、勢いや形のいいものがなく、随分沢山撮った中の一枚。オオバギボウシとは別にコバギボウシというのがあることも、今回初めて知った。これも収穫。

 この写真にあるウツボグサは普通見るものと花や葉の形が少し異なっている。色もすっきりしていて気に入った花の一つ。

コバギボウシ

オオマツヨイグサ

カライトソウ

ツリガネニンジン

ヤマホタルブクロ

ネジバナ

オオバギボウシ

ウツボグサ

クルマバナ

ミソハギ



[ 御嶽山と蓼科山]

 御嶽山(3,067m)は、長野県と岐阜県が接するところに位置する独立峰の活火山で、昔から信仰の山として知られ、今でも白装束に身を包んだ行者が訪れている。蓼科山(2,530m)は、八ヶ岳連峰の北に位置する成層火山の独立峰で、登山口は4つほどあるが、2時間程度で登れる手ごろな山だ。

御嶽山の大きな山容は晴れた日には名古屋からも見える 早朝、雲の中から浮び上がった御嶽山。信仰の山でもある お椀を伏せたような形の蓼科山と左は白樺湖 穂高連峰の夕焼け。光が放射状に散り、荘厳な感じ


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