--- 北信州・春の花旅 奥裾花・戸隠の湿原 ---

旅   行   日   程    ( 2012年)
5月9日(水)
曇り後雨
姫川源流 -- R148 -- 白馬 -- R406・K435 -- 奥裾花自然園 -- K435・R406 -- 鬼無里 -- K36 -- 戸隠森林植物園 -- K36 戸隠高原(泊)


[ 5月9日(水) ]

[ 奥裾花自然園 ]

奥裾花自然園の水芭蕉が発見されたのは1964(昭和39)年というからそれほど古い話ではない。白馬方面からは国道148号線のJR白馬駅付近から国道406号線に入って東進。20kmほど先の「土倉口」を左折し、裾花川沿いの県道435号線を道なりに進むと迷うことなく奥裾花に至る。自然園の少し手前の観光センター前に駐車場があり、ここからはマイカーは入れない。自然園入口までは1.5km。歩けば30分足らずの距離だが、シャトルバスが運行されており、運賃は200円。

ところで奥裾花自然園が位置するところの地名は「鬼無里(きなさ)」という。何か意味ありげな名なのでちょっと調べてみた。鬼無里観光振興会のホームページには「鬼女紅葉」と「一夜山の鬼」という伝説が紹介されてる。いずれも鬼退治にまつわる物語で、それによると古の昔、このあたりは「水無瀬」と呼ばれていたが、鬼退治がなされてからは「鬼が居なくなった里」ということで「鬼無里」というようになったとのこと。

奥裾花自然園・ミズバショウ


今回の旅行で最も楽しみにしていたのが奥裾花自然園だった。ここへは7年ほど前にも来たことがあり、その時の感動が忘れられなかったから。ところが園内に入ってみると、湿原のほとんどが雪に覆われ、花が咲いている場所は散策路から遠く離れたところばかり。単なる風景写真であればそれなりの撮り方はあるだろうが、野草目的の写真では花が小さくなり過ぎてなんとも絵にならない。期待が大きかっただけに落胆も大きい。下欄の写真で「ナエバキスミレ?」と「?」マークがあるのは、オオバキスミレとよく似ているが図鑑で見る限りナエバキスミレに近い。しかし、自信が持てない。

ナエバキスミレ? ナエバキスミレ? キクザキイチゲ ミズバショウ

[ 戸隠森林植物園 ]
奥裾花自然園には「今池湿原」と「こうみ平湿原」二つの湿原に81万本のミズバショウの大群落があり、周囲にはブナの原生林もある。この日の予定は、奥裾花自然園だけで午後3時ぐらいまで時間を費やすつもりだった。今池湿原からこうみ湿原へ行こうと思ったところ、ちょうどそこから帰ってきた数人のグループと行きあったので湿原の様子を聞いたところ「すべて雪の中」とのこと。それでは行くまでもないと断念。こんな状態では半日も持たない。宿へ行くにはまだ早すぎるし、さてどうしようかと考えた挙句、明日に予定していた場所ではあるけれど、とりあえず戸隠森林植物園へ行ってみることにした。

戸隠森林植物園・ミズバショウ


戸隠森林植物園は。71.41ヘクタールもの広さをもつ自然公園である。園内には無数のミズバショウが生育しており、観察用に木道が敷かれていてとても歩きやすい。またこの公園は近くにある「戸隠小鳥の森」の一部にもなっており、バードウオッチャーもよく訪れる。私が訪れたときも数人のカメラマンがフィールドスコープをセットして鳥を待っていた。どんな鳥が来るのかを尋ねたところ、クロツグミ、アカゲラなどが見られるという。私も100-400mm望遠ズームレンズを持っていたので傍でクロツグミを撮らせていただいたが、テレコンを着けても距離が遠すぎてダメだった。

ミズバショウ ミズバショウ ミズバショウ ミズバショウ

[ 戸隠高原の宿 ]
戸隠森林植物園では園内のどこを歩いても風景はそれほど変わらない。それでもミズバショウを撮ったり、野鳥を撮っているうちに夕暮れが近づいてきた。今日の宿には故人所有の庭園があり、そこにもミズバショウが群生していると聞いていたので暗くならないうちに宿へ向かった。チェックインを済ませて庭に出てみると、素晴らしい風景がそこにあった。宿の主人の話では、先代の主人がこの地を入手ときにはほとんどが藪だったらしく、徐々に藪を刈り込んで整備していったところ、元々少し生えていたミズバショウがどんどん増えて下欄の写真のようになったのだという。以前は樹木の背丈も低く、林越えに戸隠山が綺麗に見えていたそうだが、樹木の生長とともに山はすっかり林に隠されてしまったとのこと。

ミズバショウ
ミズバショウ



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