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サロマ湖

7月3日(土) 晴れ

[ 行程 ]
網走駅 R39・R238・D442 ==> ワッカ原生花園・サロマ湖 D442・R238・D7・R333 ==> 
端野 R39・D104 ==> 網走湖 R238・R39・D64 ==> 女満別空港 ANA328 ==> 名古屋空港
 (注) 道路番号の「R」は国道、「D」は道道

[ サロマ湖・ワッカ原生花園 ]
 これまでの旅行期間中、立ち寄り先で集めたパンフレットやリーフレット、購入した本などが結構な分量になった。名古屋を立つ時、リックは着替えなどがギッシリ詰まって膨れ上がっていたので、荷物の整理をしないと収まりきらない状態になっている。カメラバッグにもこれ以上入りそうにない。

 今まで旅行をしていてもシャツや下着などまともに畳んだことなどなかったが、今回はそういうわけにはいかないようだ。リュックの中身をすべて取り出してコンパクトに畳み直したら、本などを入れるスペースができた。今日使うものはリュックの脇にあるポケットに入れ、忘れ物がないかを確認して出発準備完了。

 いつものように午前7時半に網走駅前のホテルを出発。今日も空は晴れ上がっている。暑くなりそうだ。広々とした市街地の道路から「網走湖」の北岸を経て「能取湖」の南・西岸を巻くように走る国道238号線へ出る。

 「能取湖」は、オホーツク海と砂州で仕切られた周囲31kmの湖で、9月上旬から10月上旬にかけては珊瑚草で湖面が赤く覆い尽くされるという。そんな風景を見てみたいものだが、今は夏。
 湖の西岸から網走方面を望むと、独立峰の斜里岳がぽっかりと空に浮び上がって見える。

 常呂(ところ)町に入ると道はオホーツクに沿って走る。程なく「ワッカ原生花園」を貫く「竜宮街道」へ入る。このロマンチックな名前の道は、野付半島を「北海の天の橋立て」と評した大正時代の詩人、大町桂月がここを訪れたとき「竜宮のごとし」とその光景を感嘆したのが名前の由来。

 ワッカ原生花園は、幅200〜700m、約20kmの砂州に広がる日本最大級の海岸草原だ。「ワッカ」とは、アイヌ語の「ワッカ・オ・イ(水が・ある・ところ)」を意味し、その名の示すとおり、砂州の中ほどの「ワッカの森」に、真水が湧き出す場所がある。

 竜宮街道によってオホーツクの海と隔てられている「サロマ湖」は、面積約151u、周囲91km、北海道最大の湖だ。また、オホーツク屈指の夕日の名所としても有名なところ。竜宮街道に入ると直ぐに「サロマ湖ワッカネイチャーセンター」があり、自然保護のため車はここまでしか入れない。
 
 [ サロマ湖ワッカネイチャーセンター ]
  〒 093-0216 北海道常呂郡常呂町栄浦242-1
  Tel 0152-54-3434 (開設期間中)
  問合先  常呂町 産業課 商工観光係
    Tel 0152-54-2111 Fax 0152-54-3887
    E-mail kankoumgr@town.tokoro.hokkaido.jp
  
 車を駐車場に置いて、ネーチャーセンターでレンタサイクルを借りる。前の荷台にデジスコセットを入れようとしたら、係の方がカメラを傷めないようにタオルを貸してくれた。感謝。首に1眼レフデジカメをかけ、片手に三脚と、沢山の荷物を持つとさすがに運転しずらい。

 原生花園内は、通路から花の咲くところへ立ち入りが出来ないようにロープが張り巡らされている。ときどき自転車を止めては写真を撮ったのだが、通路周辺だけでは花の種類が限られていたのと、これまで見てきた花をかなり割愛したこともあって、撮影した花はそれほど多くなかった。

エゾカワラナデシコ エゾコウゾリナ ムシャリンドウ 調査中
ヒロハクサフジ エゾスカシユリ オオマツヨイグサ エゾフウロ

 自転車を道端に置いて、縦横に巡らされている見学路へ入ってみた。美しい鳥の声を耳にして、辺りを見回すと、ノゴマが梢の頂で囀っている。早速、カメラをセットして撮影。さらに鳥を求めて散策しているとオオジュリンを見かけたが、残念ながら後ろ姿しか撮ることができなかった。

ノゴマ ノゴマ オオジュリン ビンズイ?

 原生花園での撮影を終えて、自転車を返すためネーチャーセンターに戻ったついでに土産物を買うこととした。数点の土産物と、「オホーツク紀行(藤泰人 著)」という写真集を1冊、この他に鳥の鳴声を収録したCDを1個買い求めた。

 駐車場を出るときに、サロマ湖の写真を撮っていないことに気が付いた。急いで写しはしたのだが、後で確認してみると露出不足でまともに写っているものがなく、右のようなおかしな写真しか残っていなかった。やはり、結果の確認はキチンとしなければいけない。大いに反省。

[ 網走湖 ]
 ワッカ原生花園を出たのが11時前後、レンタカーを返納する時間の午後1時半までにはしばらく時間があるので、「網走湖」の周辺を走ってみることとした。
 網走湖は、約10,000年前に海の一部が海水面の変動や漂砂などによってできた、面積 32.3Ku、周囲42 Kmの海跡湖。オホーツク海とは網走川によって結ばれているため海水と河川水が混ざり合う「汽水湖」になっている。

 網走湖周辺も「ジャガイモ」が方々で栽培されており、白や薄いピンクの花が咲いている。「オホーツク紀行」を読んでいたら、ジャガイモの白い花はでんぷん原料の紅丸、赤い花はメークイン。面白いことに赤い花の芋は白く、白い花の芋は赤い、ということだ。

網走湖と
ジャガイモ畑
オホーツクと
ジャガイモ畑
ジャガイモ畑
緑のグラデーション
ジャガイモの花

 湖の周りは豊かな緑に包まれ、ドライブしていると心が癒される想いがする。時間が許す限り湖の風景を楽しむつもりで湖畔道路を走っていたら、「オホーツク流氷館」の案内看板があったので寄ってみた。ここから見た網走湖の景色はすばらしかった。斜里岳は高さはそれほどないものの、どこから見ても優美な姿は変わらない。

オホーツク流氷館 網走湖と斜里岳 網走湖 網走湖

[ 旅のおわり ]
 時計を見ると11時45分。そろそろ空港へ行く時間だ。女満別空港は網走湖の南端から少し南へ行ったところに位置している。7日間にわたった北海道の旅もいよいよフィニッシュを迎える。そう思った瞬間、心の内から熱いものがこみ上げてくるような感じを覚えた。空港まで、その感動をかみ締めるようにゆっくり走った。

 女満別空港の一角にあるレンタカー会社に着いて、車の走行メーターを確認すると、10,969km となっていた。出発時の 9,539km を差し引くと 1,430km になる。我ながらよく走ったものだと感心する。車の返納手続きを済ませ、送迎バスで空港へと向かう。

 飛行機の出発までにはまだ1時間半ほどあるので、レストランでゆっくり食事ができる。確か刺身定食を注文した記憶だが定かではない。ビールのジョッキを手に、無事ドライブを終えたことに感謝しつつ、一人で乾杯。冷えたビールが喉を潤し、ホッとした気分になった。食事後、喫茶店に入り、旅の途中で買った本を開いてしばし時を過ごす。

 午後2時30分、ANA328便が北海道での数々の思い出とともに女満別空港を飛び立った。空は良く晴れている。帰路のフライトは2時間の予定だったが、往路と同じように天候の条件に恵まれ、名古屋空港へは10分早い午後3時20分の到着となった。

 到着ロビーで、北海道で買い求めた土産物本などで重さを増したリュックを受け取り、出発時と同じように名古屋駅まで高速バスに乗り、そこからタクシーで家路についた。











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