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阿寺渓谷の清流


05年11月13日(日)
 江戸・日本橋から京の都・三条大橋を結ぶ中山道69次のうち、贄川宿から馬籠宿までの11宿を木曽路という。木曽路の南から4番目の宿場である野尻宿は、現在の大桑村に位置する。大桑村の南隣、南木曾町に程近いところを流れる阿寺川は、木曽川合流点から上流に向かって阿寺渓谷と呼ばれ、その水の色は所によってエメラルドグリーン、またある所はコバルトブルーと、清流ならではの美しい変化を見せる。

 暦の上では既に冬を迎えた11月13日(日)、秋晴れの空に時折ほんのりと薄雲がかかる程度の絶好の撮影日和。谷間の南斜面にも陽光が当たり始める午前10時過ぎの到着を予定して、朝8時に自宅を出発。現地に着いてみると、渓谷の紅葉は盛りを向かえ、冬の到来を拒否しているかのように広葉樹が色とりどりのコスチュームを纏って山肌を艶やかに染めていた。

水深・川底の状態・陽光の当たり具合によって水の色は様々に変化する

紅葉のバリエーション 朽ちかけた木の葉


 川岸に沿って歩くと、葉が真っ赤に染まった木や、既に葉を落とし始めた木に秋から冬への季節の移り変わりを垣間見ることができる。11月半ばとあって路傍の野草はほとんど咲き終えていた中、ところどころに小さな実をつけた紫式部が目を楽しませてくれた。

渓谷は時に緩やかに、時に激しく流れ下る

形と色が面白い 紫式部 青空を背に

 
 阿寺渓谷は、水の色の美しさでは日本有数の部類に入るのではなかろうか。初めてこの渓谷を見たとき、透明で神秘的な水の碧さに言葉が出なかった。

紅葉とのコントラストが美しい
この透明感が素晴らしい

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