Vol.1

11年12月7日(水)
 紅葉には少し遅いかなと思いつつ、ネットで紅葉情報を調べていたら、「湖東三山」ではなんとか間に合いそうな感じであったので、ダメ元で出掛けてみること にした。「湖東三山」とは、琵琶湖の東、鈴鹿山系の山裾に位置する名刹、龍應山・西明寺(さいみょうじ)、松峰山・金剛輪寺(こんごうりんじ)、釈迦山・ 百済寺(ひゃくさいじ)の総称である。この日は欲張ってもうひとつの名刹、瑞石山・永源寺(えいげんじ)へも訪れた。


[ 西明寺 ]

 西明寺は、平安時代の承和元年(834年)、三修上人が仁明天皇の勅願により開創された、とある。本尊は薬師如来。寺宝として、平安時代から室町時代にかけて制作された仏像などが多数保存されている。境内には本堂のほか、三重塔、宝塔、観林坊、鐘楼などの建物や名勝庭園「鳳来庭」がある。

       
       


[ 金剛輪寺 ]

 松峰山金剛輪寺は、聖武天皇の祈祷寺として、行基菩薩が天平13年(741年)に開山した。本尊は観世音菩薩。本堂の大悲閣は鎌倉期に建造され、国宝ともなっている。往時は百余の坊舎があって栄華を極めた時期もあったとのことである。仏像は鎌倉初期のものが多く、14対が国の重要文化財に指定されている。参道には水子供養なのか、風車が供えられた高さ50cmほどの千体地蔵が行儀よく並んでおり、紅葉を背景にして佇む姿は壮観なものであった。

       
       


[ 百済寺 ]

 湖東三山の最後の訪問地は「釈迦山百済寺」。「ひゃくさいじ」と読む。初めてこの寺を知ったときには「くだらじ」と読むとものだとばかり思っていたが、そ れもそのはずで、かつての朝鮮の「百済国」にゆかりのある名であった。寺の略縁起によれば、『当山は、推古天皇の時代に、聖徳太子の御願により百済人のた めに創建された古刹で開闢当時の御本尊は、太子御自作の「植木の観音」であったと伝えられる。又、御堂は百済国の梵閣「龍雲寺」を模して建てられ、開闢に当たっては高句麗の僧、恵滋を咒願とし、その後の供養には、百済の僧を任ぜられた』とある。

       
       


[ 永源寺 ]

 永源寺は、『室町時代のはじめ康安元年(1361年)に近江の領守佐々木氏頼が弱寂元光禅師の高徳 を慕い、風光明媚なこの地に伽藍を創建し、禅師を迎えて開山されました。』ということである。戦国時代、度重なる兵火によって寺院堂宇ことごとくを失ってしまったが、その 後、寛永20年(1643年)伽藍が再興された。境内には本堂のほか、法堂、含空院、禅堂、経堂、開山堂、標月堂などがある。

       
       


[ 湖北のコハクチョウ ]

 湖東三山での紅葉の撮影を終えて、次に向かったのは琵琶湖水鳥ステーションの近くにある早崎ビオトープ。ここには毎年コハクチョウが訪れる。現地に着いた のは午後3時を少し回った頃。普通ならばもう帰途に就くのだが、コハクチョウがそろそろねぐらに戻って来る時間帯で、これからが本番。暮れかかった空を飛翔するコハクチョウを撮りたかったのだが・・・

コハクチョウ
コハクチョウ アオサギ


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