天 生 湿 原  

Vol.3

11年6月4日(土)
 今冬は降雪が多かったので天生峠へ通じる国道360号線の開通が遅れるのではないかと気になっていた。5月末、現地の土木事務所へ問い合わせたところ、開通予定は6月3日の午後。ただし、白川郷からは依然として通行止めで、河合側からのみ入山可能とのことであった。たまには白川側から入ってみたいと思っていたが、それは又の機会となった。

天生湿原 ミズバショウ群生地

 飛騨清見インターから小鳥川に沿って川を遡る沿道には様々な色をしたタニウツギやフジの花が咲いていた。国道360号線に入ってからしばらくすると山肌に黄色の花。キジムシロにしては葉が立派で、ひょっとしたら別の花かもしれないと思い、とりあえずのところ「?」マークを付けた。ホウノキもチラホラ見える。樹高は高いのだが谷側の崖のようなところに生えていたため、写真に撮るには都合が良かった。

イワキンバイ イワキンバイ イワキンバイ ヒトリシズカ
ホウノキ ホウノキ ミヤマスミレ ミヤマスミレ

 天生湿原へ着くと土曜日にもかかわらず意外に車が少なかった。来る途中で寄り道して花を撮っていたので、駐車場が満車になっているのではないかと心配したが杞憂に終わった。湿原の入口で協力金なるものを支払い、いよいよ撮影開始。前回は散策路に入ったとたんにサンカヨウが見られたのだが、今年は花が遅れているとみえてまだ蕾。しばらく歩くとヒメイチゲが数多く見られるようになった。山側の土手にはイワナシがまだ綺麗な花を付けていた。

ヒメイチゲ ヒメイチゲ タケシマラン ノウゴウイチゴ
イワナシ イワナシ オオカメノキ ムラサキヤシオツツジ

 ノウゴウイチゴを撮っていたら突然カメラのAFが作動しなくなった。マニュアルフォーカスに切り換えてみても合焦時に発するピーッという音がしない。そのうえ、ファインダー内に表示されるはずの露出データも見ることができなくなった。止むなく撮影場面ごとに勘を頼りに撮影。せめてもの救いは、シャッターだけは切ることができたので、写した結果を液晶で確認しながら手探り状態で悪戦苦闘。ようやくこれから本番という時にカメラが故障し、すっかり撮影意欲が萎えてしまった。

リュウキンカ ミヤマキスミレ ミドリニリンソウ ミドリニリンソウ
キヌガサソウ キクザキイチゲ キクザキイチゲ キンキエンゴサク?

 湿原に着くと、これまで見た以上にミズバショウとリュウキンカが咲いていた。ただ残念だったのは、楽しみにしていたサンカヨウがところどころに見られただけで、群生を撮ることができなかったこと。ツバメオモトもまだまだこれからといった感じで、ようやく見つけた大株にかなりの時間をかけて撮影した。「キンキエンゴサク?」としたのは、今まで見たエンゴサクとは花の色が著しく異なっており、多分、初見の花だとは思うが同定するまでには至らなかったので、これも「?」マークを付けた。

サンカヨウ
ツバメオモト

 今回は木の花を沢山見た。下欄に掲載したハウチワカエデ、タムシバ、クロモジのほかにシロモジやムラサキヤシオツツジ、オオカメノキなど、いつもはあまり撮ったことがない花も載せることができた。最初のアクシデントのお陰で、いくら写してみてもまともには写っていないだろうと、気乗りがしないままの撮影だったが、自宅へ帰ってからPCで結果を確認したらそれなりに写っていたのでヤレヤレ。ピンボケを少しでも回避できたらと、60mmマクロレンズを使用したのが幸いしたのかもしれない。

ツバメオモト
ハウチワカエデ ハウチワカエデ タムシバ クロモジ


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