ケスハマソウの山  

Vol.1

11年3月27日(日)
 昨年、ネットの知り合いのブログでケスハマソウを初めて見た。その時の印象が忘れられず、今年は是非にも花に会いに行きたいと、開花の時期を待ちわびていた。ケスハマソウの分布域は、近畿地方以西の本州と四国。名古屋からは花の咲く場所に行くだけでも3時間以上かかる。撮影当日は日曜日とあって、高速道路の渋滞が予想されたので6時に自宅を出発。早朝であったためか、意外に道路は空いていて予定より1時間近くも早く現地に着いた。

ケスハマソウ
ケスハマソウ

 自生地はよく手入れされている杉木立で、ところどころに草地があり、日当たりの良い場所に点々とケスハマソウが咲いていた。現地に着いた時間が早かったため、大部分の花は閉じていたが時間が経つにつれて開き始めた。この花は変異が多く、花の色や模様はどれ一つ同じものはない。それにしてもなんと可愛い花だろう。能登や佐渡島に咲くオオミスミソウと非常によく似ている。葉の形は普通のスハマソウより葉先が丸い感じ。茎には名前のとおり毛が密生していた。

ケスハマソウ
ケスハマソウ

 道なき道を踏み分けて数カ所で撮影を行い、ふと時計を見ると3時を少し回っていた。野草の撮影では、夢中になるあまり昼食も忘れてしまうことがよくあるが、この日は遠路遥々訪れたこともあって撮影に没頭して昼食のことなど考えるいとまもなかった。撮影を終えてカメラのプレビューで撮影枚数を確認したら296枚。たった1種類の花でこれだけ多くの枚数を費やしたのは初めての経験だった。帰路は現地を夕方5時に出発したものの、往路とは裏腹に100kmにも及ぶ渋滞に巻き込まれ、自宅まで5時間半もかかって帰宅したのは10時半。それでもあまり疲れを感じなかったのは、美しい花を見ることができた満足感があったからだろう。

ケスハマソウ
ケスハマソウ



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