海辺に咲く野草  

Vol.4

10年11月30(火)
 親戚に用事があって、兄弟と一緒に志摩半島の南海岸にある南伊勢町を訪れた。予定の時刻までには少し時間があったので、海と陸とが複雑に入り組んだリアス式海岸の風景を楽しもうと車を走らせた。半島の先端付近まで進んで海岸に降りることのできる道を探して行ってみると小さな東屋を備えた小公園があった。車を降りて岬の浜辺散策していたらアゼトウナが山の斜面を黄色く染めるほど咲いていた。

ツリガネニンジンかと思うがミヤマシャジンのようにも見える
テリミノイヌホオズキ

 沖合の島に向かって伸びた突堤の付け根付近にナス科の植物が大きな株を作って咲いていた。後で名前を調べるとテリミノイヌホオズキ。もちろん初見の花。岬の周囲の海岸には山から崩れ落ちたような岩がゴロゴロとしていて歩きにくい。山の斜面や海岸の岩の上にアゼトウナに混じって伊豆半島で見たイソギクによく似た花があった。紀伊半島にもイソギクによく似たキイシオギクという花があることを図鑑などで見て、知識として知ってはいたが実際に目にするのはこれが初めて。

キイシオギク
キイシオギク

 天気予報によれば、この日は朝昼は晴れということだったのに、時間が経つにつれて雲が多くなり時々厚い雲に太陽が覆われてしまうような不安定な天気。あまり天気が良すぎても黄色の花は撮りにくいが、かと言って完全に曇ってしまうと花の色が沈んでしまう。それに海や空の色もやはり明るい青が欲しいところ。太陽が顔を出すのを待ちながらの撮影で思ったより時間がかかった。

アゼトウナ
アゼトウナ

 先日の伊良湖で見たアゼトウナはもう少しオレンジがかった色をしていたように記憶しているが、ここのアゼトウナは鮮やかな黄色。まるで種類が異なる花とも思えるような色をしていた。浜にはハマボッス、ハマエンドウなどの葉もところどころに見られた。下欄のコシナガワハギも初見の花。この近くには時々訪れたことがあるのだが、海岸まで降りたのは初めてで、意外に植物が多いのには驚いた。また来年の初夏にでも訪れてみようと思う。

キイシオギク アゼトウナ
コシナガワハギ



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