海辺に咲く野草  

Vol.2

09年11月05(木)・06日(金)
 10月に伊豆を訪れたとき、前もってインターネットで得た情報を元に、時期的にはまだ早いことは承知でソナレセンブリを探した。ソナレムグラ、ハマボッス、ソナレセンブリは葉の大きさは異なるが姿形は良く似ている。なんとか良く似た葉だけは見つけたものの確証は得られない。まるで宝探しのようなものだった。あれから約1カ月が経過していて季節も進み、今回は「ある有力な情報」を得ることができたので、"運が良ければ花をつけたソナレセンブリが見られるはず" と再び伊豆へ出かけた。

イソギク
イソギク

 まずは10月に見た「それらしき葉」の植物を確認するため現地へ向かった。間違いでなかったら花が見られるはずと思って期待しながら行ってみると、蕾すら見つけることが出来なかった。肝心の「それらしき葉」はどうやらソナレセンブリではなく、別の種のようだった。残念!。その場所からほど近いところにある海岸の岩礁にはイソギクが綺麗に咲いていた。まずはこれらの花をと思って撮り始めたら、お誂え向きの岩場がいくつかあって、どちらがメインの花かわからないぐらい沢山のイソギクを撮り、どれも捨てるに忍びないため、こんなに沢山の枚数を掲載してしまった。(笑)

イソギク
イソギク

 訪れた場所ではイソギクとともにツワブキが満開。こちらは海岸だけでなく、場所によっては山裾や道端を黄色に染めるほど咲いていた。ただ。あまりにも数が多かったため、いつでも撮れるという気があって実際に撮影した枚数は思ったより少なく、上欄のイソギクと比べればその差は歴然たるものがある。もっとも、咲いている環境はイソギクのほうがはるかに魅力的な場所であったから、こうなったのもやむをえないかも。

ツワブキ
ソナレセンブリ

 この日はどうしてもソナレセンブリを見つけることができなかった。ネット情報では、咲いている場所はかなり急な崖の上で、そこに立つのは怖いようなところだという。翌日、情報を提供していただいた方に再度場所を確認し、めぼしを付けた場所へ行ってみたところ、ようやくポイントらしきところを見つけることができた。花は確かに見つけたが花が開いていたのはわずかで蕾ばかり。時間が早かったのかと思って3時近くまで待ってみたが同じ状態だったので諦めて引き返すことにした。

ソナレセンブリ ソナレセンブリ キッコウハグマ ヤマハッカ?
イワダレソウ イワダレソウ ハマボッス ハマボッス

 11月上旬ともなれば、咲いている花が少ないのは承知の上で伊豆まで来たのだが、初夏の花であるはずのハマボッスを見ることができたり、アゼトウナ、ハマグルマ、イワダレソウ、ツルソバなどの海浜植物もまだ健在で目を楽しませてくれた。また、山道ではセンブリの大きな株にも出会った。ただ、写真となるとどうしても小さな株に目が行ってしまう。群生している植物はどうも苦手で、どう撮っていいのか分からない。これではまだまだ修行が足らないなあ。

アゼトウナ
ツルソバ ハマグルマ センブリ センブリ

 帰路は伊豆の西海岸をなぞるようにしてドライブ。黄金崎に差し掛かった頃には夕暮れを迎えており、駐車場に車を止めて海を見たら、まさに陽が落ちんとする瞬間だった。前回訪れたときには曇っていて見えなかった富士山も半島の上に頭を出していた。これで海越えの富士山のコレクションが1枚加わった。短い時間の間に撮影ポイントを求めて右往左往して夕陽を撮った。寄り道をしたおかげで自宅へ着いたのは11時を回っていた。

イソギク ツルナ ハチジョウススキ? ツワブキ
海越えの富士山 黄金岬の夕暮れ

 この年は伊豆へ何度も出かけた。目的は富士山の遠景写真であったり海岸植物であったりしたが、やはり最も撮りたかったのはソナレセンブリ。11月になって再度訪れてみたが、もう花の時期は終わっており、実をつけていた。その姿があまりにも蕾のようだったので、前回訪れたときはこれから咲くものだとばかり思い込んでしまった。後でよく調べてみたら見ごろはやはり10月の末のようだった。

アゼトウナ アゼトウナ イソギク イソギク
イソギク 爪木崎

 せっかく訪れたのだからと、海岸を歩いていたら、岩の上にイソギクが点々と咲いているのを見つけた。海を隔てて向こうには半島やら小さな島がいくつも浮かんでいる。ゴツゴツした茶褐色の岩肌と海の青、それにイソギクの黄が絶妙なコントラストを見せており、ここだけでも1時間以上写真を撮っただろうか。帰路はまた西海岸に沿って車を走らせてみた。堂ヶ島へ差し掛かったら夕陽が沈む寸前。撮影にとりかかったらアッという間に陽が落ちてしまったが、それでもなんとか数枚はそれらしく撮れた。

イソギク イソギク アゼトウナ アゼトウナ
マルバアキグミ フウセントウワタ 堂ヶ島の夕陽



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