南信州・奥三河 夏の野草  

Vol.11


11年7月1日(金)
 キンセイランが絶滅の危機に瀕している。以前から群生しているほどではなかったにしろ、もう少し多くの株があったのだが、年々減り続け、今年はとうとう3株を確認できただけ。このままいくと来年には目にすることができなくなるかもしれないというので、開花情報を得た機会を逸してはならじと現地へ赴いた。この花は多年草ながら毎年同じ場所に咲くとは限らず、探しあてるのにはいつも苦労させられる。

キンセイラン
キンセイラン

 ウチョウランも御多聞に漏れずその数は少なくなるばかり。今年は新たな自生地情報があって、早速現地へ出かけてみたところ、咲いていたのは5m以上はあろうかという崖の上。急な斜面を木の枝に掴まりながらよじ登り、やっとの思いで傍までたどり着いた。足元は今にも崩れそうな軟弱な山肌で、かろうじて立っていられるほどの広さしかない。こういう場所では「花風景」的写真は望むべくもないが、それでもなんとかそれらしき雰囲気のある写真を撮りたいとがんばってみた。

ウチョウラン
ウチョウラン

 次はクモラン。これを最初に見たときには「えっ!これが花?」という印象。コケの生えた古木に着生する植物で葉は無い。名前は放射状に根を広げている様子を虫の蜘蛛に見立てたもの。花の中心部から立ち上がる1cmにも満たない花茎上に、わずか2mm程度の大きさの花を付ける。言われてみないとそれが花であることは分からない。撮影しているときには雨が降っており、かなり薄暗かったのでISO感度を1600まで上げた。

クモラン
コクラン

 エゾスズランは別の場所で撮ったもの。まだほとんどが蕾だったので機会を改めて再度撮りにでかけるつもり。コクラン、オオバノトンボソウのポイントに到着したときはすでに午後5時を過ぎており、森の中はかなり暗くてピントが合っているのかどうかさえもわからず、カメラの合焦音だけを頼りに撮影した。撮影中は群がる蚊に悩まされ、意に反して献血までさせられた。最後の4枚はそれぞれの撮影場所で目についた花をまとめたもの。

オオバノトンボソウ オオバノトンボソウ エゾスズラン エゾスズラン
ウリノキ ウツボグサ キバナノヤマオダマキ オオバジャノヒゲ



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