八ヶ岳の野草  

Vol.4

13年6月17日(月)・18日(火)
2年前に八ヶ岳・硫黄岳へ行ったとき、ツクモグサはまだ咲き始めたばかりで数も少なく、いささか欲求不満気味だった。もう一度あの花を見たいとの想いが募り再度の挑戦を試みた。最近、オーバーウエイトの傾向があって山登りが辛い。日ごろから運動らしいことは何もしないのに山へ行こうというのは無謀の誹りを受けるかもしれないが、難易度の最も低いコースを選ぶとなるとやはり桜平〜夏沢峠〜硫黄岳へ至るコース。

左から硫黄岳・赤岳・阿弥陀岳


桜平から夏沢鉱泉、オーレン小屋へと続く登山道にはキバナノコマノツメ、シロバナノヘビイチゴがほぼ途切れることなく咲き並んでいる。リュックには交換レンズが100mmマクロ、24-105mm標準ズーム、16-35mm広角ズームの3本。歩き始めた頃はさほど重さを感じなかったが登山道の斜度が増すにつれて次第にその重みを感ずるようになってきた。

キバナノコマノツメ
キバナノコマノツメ キバナノコマノツメ シロバナノヘビイチゴ シロバナノヘビイチゴ

キバナノコマノツメはカメラポジションが高いと背景が暗くなり過ぎるので、できるだけ背景が明るいところに咲く花を選び、ローアングルで撮影。シロバナノヘビイチゴも何枚か撮ったが雰囲気良く撮ろうとするとなかなか難しい。コミヤマカタバミは森林限界を超える手前までは随所に咲いていたものの、ある程度の数がまとまって咲いているシーンと思うと適当な花が見つからない。オサバグサはポツリポツリと咲いている程度。

コミヤマカタバミ コミヤマカタバミ オサバグサ オサバグサ
イワセントウソウ ヒメイチゲ ヒメイチゲ ヒメイチゲ

イワセントウソウはどこにでも見られたが、花が小さいだけにアップで絞りを深くしての撮影。オーレン小屋付近でヒメイチゲの小群落を見つけた。しかし、咲いている場所は保護ロープの中でアングルを自由に選ぶことはできない。私の好きな花だけに残念ではあるが後髪を引かれる思いで先へ向かった。オーレン小屋からは樹林帯の中の登山道。ここではあまり多くの花は見られない。ウスギオウレンも時折見かけるが笹藪の中。

イワウメ
イワウメ

夏沢峠で少し遅い昼食。ここからしばらく尾根道が続き、パッと視界が開けたと思ったら森林限界を超えていた。登山道はつづら折れの急勾配になる。岩肌にはイワウメ、コメバツガザクラが目立つようになった。前回この山を訪れたときにはこれほど多くのイワウメがあるとは気が付かなかった。あの小さな葉からはこれほど立派な花をつけるとはとても考えられない。あれもこれもと撮っているとどんどん時間が過ぎていく。

硫黄岳山荘付近から横岳・赤岳を望む


爆列火口を左手に見ながら硫黄岳山頂を目指す。このころにはかなり雲が目立つようになった。山頂に立つと、眼下には硫黄岳山荘。その向こうの尾根筋を辿って行くと横岳の岩峰が聳え、そして八ヶ岳の主峰・赤岳の雄姿が続く。今日はできれば横岳のツクモグサを見たいのだが身体はかなり疲労している。果たしてそこまで辿りつくことができるだろうか。硫黄岳山荘に着いたとき、時刻はすでに3時半。とりあえずここにリュックをデポして横岳まで行こうと思ったものの、どうも気力が湧かない。

チョウノスケソウ
チョウノスケソウ チョウノスケソウ ハクサンイチゲ ハクサンイチゲ

こんなときは無理をせず休むに限ると、横岳は明日に回すこととし、山荘周辺の花を見ただけでこの日の散策は終了。泊まり客は20人足らず。夕食時には居合わせた客としばし雑談をし、9時の消灯前に就寝。翌日の朝食は5時半。ひょっとしたらご来光が拝めるかもしれないと4時に目覚ましをセット。ところが朝起きてみれば外は深い霧に包まれていた。テレビの天気予報を見ればこれから午後にかけて天気は崩れるとのこと。それでも一縷の望みを抱いて山小屋を出て歩き始めた。

ウルップソウ ウルップソウ オヤマノエンドウ オヤマノエンドウ
オヤマノエンドウ

横岳への尾根道を半分ぐらい進んだところで小雨混じりの猛烈な風。立っていても吹き飛ばされそうで、こんな調子ではこの先へ行ったところでとても写真が撮れそうもないと、引き返すことに決めた。稜線上にはチョウノスケソウやオヤマノエンドウなど、お気に入りの花が咲き競っていたが撮影もそこそこに下山。桜平に着くまでなんとか雨に見舞われることだけは避けられた。時刻は11時半。このまま帰るのも釈然としないので八千穂高原まで足を伸ばした。ここで30分ぐらい撮影しているうちにポツリポツリと雨。早々に撮影を切り上げて帰途についた。

コメバツガザクラ ミネズオウ コイワカガミ ウスギオウレン
レンゲツツジ レンゲツツジ ベニバナイチヤクソウ ベニバナイチヤクソウ


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