八ヶ岳の野草  

Vol.1

11年6月7日(水)
 ホテイランを求めて八ヶ岳山麓を訪れた。本来ならばこの日の翌日から八ヶ岳・硫黄岳から横岳周辺に咲くツクモグサを見に行く予定を立て、その折りにホテイランの自生地へも立ち寄るつもりであったが、ツクモグサ開花が遅れているとのことで急遽予定を変更し、ホテイランだけでも先に見ておこうということになった。名古屋を出発したのは午前5時。平日の早朝とあって高速道路は空いており、到着予定時間より30分も早く諏訪南インターに着いた。

チゴユリ タケシマラン エゾノタチツボスミレ ベニバナイチヤクソウ
エゾムラサキ エゾムラサキ クリンソウ ワニグチソウ

 現地へ向かう途中の八ヶ岳山麓には広大な別荘地があり、それぞれに趣向を凝らした別荘が木立の中に建っている。ふと道路脇を見るとブルーの可愛らしい花が群生いているのが目に止まり、車を停めてみたらエゾムラサキだった。花に限らず風景の場合でも、「帰り道に」と思って通り過ぎてしまうとせっかくのシャッターチャンスを逃してしまうことが多い。だから私は「目にしたときに撮る」ことをセオリーとしている。エゾムラサキを撮影していたら別荘の持ち主から声をかけられ、いろいろ話しているうちに敷地内に咲く花を案内していただけた。

ホテイラン
ホテイラン

 さて、いよいよホテイランの咲く場所へ。道は舗装道路から小石が混じりのデコボコした道へと入る。ところどころに深い轍の跡があって気を付けないと車の腹を擦ってしまうので、ゆっくり慎重に進む。山荘の駐車場に車を置いて登山開始。といってもゆるやかな坂道なので息が上がるほどではない。植物保護のためのロープが張られたところに出て間もなくすると待望のホテイランが現れた。その傍には保護観察用の小さな番号札が立てかけられていた。

ホテイラン
ホテイラン シロバナホテイラン シロバナホテイラン イチヨウラン

 ホテイランが3輪寄りそうように咲いている場所があって、そこで1人のカメラマンが熱心に撮影していた。その様子を見ると、まるで連写でもするように夥しい枚数を撮影している。しばらく待っていたが一向に終わる気配が無く、いつまでもその場所を動かない。止むなく別の場所へ行ってしばらく経ってから戻ってみてもまだ粘っている。「少しの間ぐらい代わってくれてもよさそうなものなのに」と少々腹立たしい思いがした。

サンリンソウ
コキンバイ

 同行した野草仲間は八ヶ岳山麓周辺の事情に詳しく、この場所以外の野草ポイントも案内していただくことができた。そこにはサンリンソウやコキンバイが群生しており、時を忘れて撮影した。サンリンソウは初見の花で、ニリンソウより小ぶり。まだ咲き始めたばかりなのか、その名の由来とは異なり、どれも茎には1輪しか花を付けていない。そう言えば、イチリンソウ、ニリンソウ、サンリンソウとだんだん花が小さくなるのも面白い。

コミヤマカタバミ
ルイヨウボタン イワセントウソウ クリンユキフデ ヒメスミレサイシン

 最後は先日も訪れた麦草峠。情報によればキタダケソウが咲いているという。ただし、自生ではなくヒュッテのオーナーが植栽したもの。この花は北岳の固有種で、しかも標高の高い所に咲く。現在の体力ではそこまで登るだけの自信はないので、例え植栽であっても見てみたいと思って車を走らせた。下欄の最後に掲載した「クモイコザクラ?」とあるのは、あるサイトの「麦草峠の野草」の中にこの名で紹介されているのを見たからであるが、ひょっとしたらシナノコザクラかもしれず、ヒュッテに問い合わせてみてもよく分からないとのことだったので「?」を付けた。

ルイヨウショウマ キタダケソウ エゾキスミレ トガクシショウマ
ツガザクラ コイワカガミ ミツバオウレン クモイコザクラ?


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