入  笠  山  

Vol.7

12年9月3日(月)
木曽駒ケ岳、乗鞍岳の次は入笠山と決めていて、8月中にも現地へ行く予定を立ていたところ、急な飲み会が二つも入ったお陰で訪問が9月にずれこんでしまった。浮世の義理とは言いながら、飲み友達との付き合いもまた別の楽しみがあってまんざら捨てたものではない。初夏の入笠山ではクリンソウがお目当てであったが、今回はエゾリンドウ。もう少し早く出かけていればクサレダマやサワギキョウ、コオニユリなどの群生が見られたはず。まあ、秋には秋の良さがあろうというもの。

エゾリンドウ
エゾリンドウ エゾリンドウ マツムシソウ マツムシソウ

最近は霧狙いで写真を撮ることが多い。今回も目的は霧に霞む木立を背景にした花風景。出かける前日から雨で、明け方まではまだ少し残っていた。日中は「晴れ時々曇り」の天気予報を信じて午前2時半に自宅を出発。目的地へは予定通り6時に到着。自分の経験では雨後の朝には霧が出ることが多く、この日もそんな光景を期待したが、現地へ行ってみると上空は青空。霧は出ていたものの、辺り一面というほどではなく、ちょっと目論見が外れたか、と少々落胆。

コオニユリ コオニユリ ワレモコウ ヤナギラン
アケボノソウ アケボノソウ サワギキョウ サワギキョウ

ところがものの30分も経たないうちに西の方から霧が流れ出て湿原を覆ってくれた。しかし、1時間もしないうちにまた消え去り、正に雲散霧消。しばらくするとまた霧が出るという具合に、めまぐるしく空が変化する。こうなると霧が晴れても簡単に引き上げるわけにもいかず、次に霧が現れるのを待つ。そんなことで、入笠湿原を出たときには昼を過ぎていた。大河原湿原へも立ち寄ってみたが、このころには青空が広がっていて、おまけに花も少なく、すぐに次の目的地に向かった。

キオン キオン ヤナギラン ヤナギラン
マツムシソウ ウメバチソウ ツリガネニンジン タチコゴメグサ

御所平を後にして千代田湖まで戻り、ここから往路とは道を変えて駒ヶ根方面へ行ってみようと車を走らせた。渓流沿いの道は以前にも走ったことがあり、オタカラコウが群生するところがあったのを記憶している。時々車を降りては周囲を確認し、またゆっくり進む。思った通り、ところどころに群落があった。ロケーションの良い場所を見つけては撮影。ここでは杉木立の林床に密生する笹藪の中にマルバダケブキの群落があったり、渓流の岸辺まで降りてみると、ところどころにアケボノソウも咲いていた。

サラシナショウマ クサレダマ ハナイカリ コバギボウシ
ツリフネソウ キツリフネ ゴマナ アキカラマツ

撮影を終えて伊那I.C付近まで行ったとき、時計はまだ午後2時前後。時間が早かったので帰路は権兵衛街道から木曽路へ抜けて中津川I.Cへ向かう道を選んだ。途中、開田高原か御嶽山へでも行こうかと考えたが、それには少々時間が足りない。思いついたのが阿寺渓谷。ここへは今年は春先から何度も足を運んだ。ひょっとしたら「何か」あるかもしれないと思ってのこと。結果は期待外れで、渓流の風景写真を数枚撮っただけで帰宅の途に就いた。

サワギキョウ ホソバトリカブト ホソバトリカブト ホソバトリカブト
アケボノソウ マルバダケブキ オタカラコウ オタカラコウ



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