入  笠  山  

Vol.5

10年8月6日(金)
 入笠山はちょうど夏から秋への衣替えの最中だったようで、花の種類はそれほど多くなかった。やはり、ここは初夏と初秋・秋に来るのが良さそう。クサレダマはそこそこ咲いていたものの、サワギキョウ、エゾリンドウはこれから。アケボノソウ、ハナイカリなどはまだ蕾すらなく、"ここにそんな花が咲くの?"という感じ。ウメバチソウも気の早いのが1、2輪顔を見せている程度。

入笠山・クサレダマ

 イワアカバナとアカバナは何度調べてもその違いをすぐ忘れてしまう。その簡単な識別方法は、花の中心に位置する白い柱頭(雌しべの先端)の形状で、アカバナの柱頭は米粒状あるいはこん棒状であるのに対し,イワアカバナは頭状でまん丸。茎の毛の生え方にも違いがあって、アカバナの毛は真っ直ぐ伸びているのに対してイワアカバナの方は曲がっている。さて、これがいつまで覚えていられるだろうか(笑)。
イワアカバナ イワアカバナ アカバナ アカバナ
コケオトギリ キツネノボタン モウセンゴケ モウセンゴケ

 入笠山へ行く時は、途中で何度も車から降りて花を探す。もっとも手あたり次第にというわけではなく、それらしきポイントを決めてあって、お目当ての花が咲いているかいないか、その周辺に変わった花はないかをチェックしている。下欄のツリガネニンジンは最初はソバナかとも思ったが、よくよく見ればシベが大きく突き出ているのに気が付いてこの名とした。

ツリガネニンジン ツリガネニンジン ママコナ ママコナ
ツリフネソウ ツリフネソウ キツリフネ キツリフネ

 ママコナとミヤマママコナも見分けにくい。どちらも地色は紅紫色だがミヤマママコナの下唇の地色は白で,黄色の斑が入る。ただし、,新鮮でない花は白っぽく見える。ちょっとした沢があって、そこにはイワアカバナ、ツリフネソウ、キツリフネ、ゲンノショウコが群生していた。また、山肌の湿ったようなところにはミゾソバの大群落があった。

マルバダケブキ ゲンノショウコ ミゾソバ ミゾソバ
エゾリンドウ ホソバトリカブト ホソバトリカブト ヤナギラン

 「トリカブト」というのは、キンポウゲ科トリカブト属の総称で単なる「トリカブト」という名の花はない。入笠湿原に咲くトリカブトは概ねホソバトリカブトのようである。イヌゴマとクルマバナもうっかりすると見間違う。イヌゴマは茎の先端に房状に花をつけるが、クルマバナは茎の周りに輪状の花を段状につける。イヌゴマの葉は三角状皮針形で細いが、クルマバナは卵形または長卵形で幅広。今回は似た花の識別法が中心になってしまった。

クサレダマ クルマバナ イヌゴマ
コバギボウシ コバギボウシ あんた誰? タチコゴメグサ

 山彦山荘の前庭にレンゲショウマが植えられていた。入笠山のどこかで咲くのだろうか?。2年ほど前に入笠山へ来たときはコオニユリが沢山咲いていたのだけれど、この日はほなの数輪しか見かけなかった。もう咲いていても不思議ではないのに、どうしたんだろう?。最後に掲載したシモツケは画像処理であんなに鮮やかになっているのではなく、ほとんど見たままの色。同じ種類のシモツケとは思えないほどの鮮やかな色をしていた。

キオン サワギキョウ ゴマナ レンゲショウマ
ミツモトソウ コオニユリ ナンバンハコベ シモツケ



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