乗  鞍  岳  

Vol.1

05年7月28日(木)〜29日(金)
 朝、5時半に自宅を出発して名神高速道路一宮I.Cに入り、東海北陸自動車道・飛騨清見I.Cから国道158号線を経由して、8時に岐阜県側シャトルバスの停留所「ほおのき平」に到着。売店で昼弁当や飲み物を買って、8時半のバスに乗った。

霧に浮かぶハクサンイチゲ


 畳平に午前9時30分到着。一昨日の台風7号が去って、空はカラリと晴れ渡り、気分爽快。今日は肩ノ小屋で宿泊して、明日ご来光を拝む予定なので、ゆっくり写真を撮ることができる。まずはお花畑へ行ってみた。ハクサンイチゲが満開で素晴らしい景色。そのほか、ミヤマキンポウゲ、ヨツバシオガマ、チングルマ、イワカガミなど、お馴染みの高山植物が今を盛りとばかり咲いていた。

コマクサ ハクサンイチゲの群生 イワギキョウ
イワカガミ イワカガミ アオノツガザクラ ゴゼンタチバナ

 この日は花巡りの途中で目にとまった景色だけを撮ることとし、翌日にゆっくり風景を撮るつもりでいた。ところが、いざ夜が明けてみると、天気予報では晴れの予定だったのに早朝から濃い霧に包まれて、ご来光はおろか風景も満足に撮ることができないぐらいだった。

お花畑から畳平 富士見岳付近 不消ケ池 鉢盛山遠望

 先日訪れた伊吹山や高ボッチ高原は、どちらも似たような花が多かったが、乗鞍岳のように3,000m級の山になるとさすがに咲く花も異なる。もっとも、前者は草原のような環境であるのに対して、乗鞍岳はゴツゴツとした岩場か砂礫地が多いから、生育する花もそれに適応できる種類になるのだろう。

ミヤマアキノキリンソウ チングルマ コバイケイソウ クロユリ ウメバチソウ

ハクサンボウフウ ミヤマキンポウゲ ネムロシオガマ ミヤマダイコンソウ

ヤマガラシ ヨツバシオガマ コバギボウシ ウサギギク ノアザミ

 富士見岳の近くの山路を歩いていたら、カメラマンが数人路上にカメラを向けていたので見てみると、ライチョウの母親が5羽の子供を連れて路を横切ろうとしているところだった。急いでレンズを望遠ズームに換えて写そうとしたが、ハイマツの中へ入っていってしまった。かろうじて撮ったのが左下の写真。右下は同じところで撮ったイワヒバリ。これは初めて見た鳥で、いい声で鳴いていた。

 写真は200mmズームで撮影したものだが、鳥が小さ過ぎて何が映っているかわからなかったので、トリミングして鳥の付近だけを残した。画像の大きさは原寸の4分の1以下になってしまったが、なんとか鳥の形だけはわかる。

ライチョウ

イワヒバリ


 翌日の朝は3時半に起床したものの、窓の外は星明りもない。それもそのはず、少し霧雨が降っていて、とにかく寒い。防寒用具を持ってこなかったので、スポーツシャツを2枚重ね着してその上にベストをはおったのだがそれでもブルブル。おそらく気温は10℃を下回っているだろう。

 しばらくすると霧雨が止んだようだったので外へ出てみた。風はビュービュー音を立てて吹きつけ、勢いよくガスが流れていく。視界はおよそ20mぐらいか。ご来光は諦めて部屋に戻り、6時まで眠ることとした。朝食時に山小屋の売店でポンチョ代わりの簡単なレインコート(ビニールシートに袖とキャップを付けただけの感じ)を買った。

 午前7時30分、相変わらずの霧の中を出発。お花畑は霧の中で何も見えない状態(写真左)。とにかく寒かったがレインコートのおかげでなんとかしのぐ事ができた。富士見岳、大黒岳を登ってみたがそれほど花は咲いていなかった。鶴ヶ池周辺を一周して1時間ほど花の撮影。ここでは散策路脇にたくさんのコマクサを見ることができた。


イワツメグサ ツガザクラ キバナシャクナゲ ヒメクワガタ
ミツバオウレン ミヤマカラマツソウ ミヤマハタザオ
ハイマツ オンタデ ワスレナグサ

 帰路は、畳平を9時半のシャトルバスで下山。平湯〜乗鞍高原〜野麦峠〜開田高原〜木曽福島〜中央自動車道・中津川I.C〜名神高速道・一宮I.Cというルートをとった。このルートは乗鞍岳へ来たときよく利用する道である。今回の写真の中で、コバギボウシ、ノアザミ、ワスレナグサは開田高原で撮影したもの。

 総走行距離430km、撮った写真の枚数約470枚。2日目が晴天に恵まれていたら、おそらく700枚にはなったと思う。ただ、予備のバッテリーパックを2つ持っていたものの、乗鞍岳で予備を1個使ってしまったので、電池がもったかどうか・・・。いろいろアクシデントはあったものの、まずは実り多い撮影旅行だったと言えるだろう。


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