木曽駒ケ岳  

Vol.6


11年8月11日(木)
 珍しく今年2回目の木曽駒ケ岳。前回は極楽平を中心に散策したので、今回は宝剣岳方面へ登ることにし、できれば濃ケ池へも行ってみたいと思って出掛けた。早い所ではお盆休みに入る会社などもあることを考慮して、いつもより1時間早く自宅を出発。それでも現地の駐車場へ着くとほぼ3分の2ぐらい車が停まっていた。始発バスには十分間に合う時間に到着したのだが、乗車できたのは3台目の臨時バス。これでは帰りの混雑が思いやられる。

木曽駒ケ岳・千畳敷カール


 今回の目論見は宝剣岳を始めとする山岳を背景とした花風景写真。千畳敷カールのお花畑には、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、エゾシオガマ、ムカゴトラノオなどが目についた。ミヤマリンドウも見かけたが早朝とあってまだ花は閉じている。お花畑での撮影をそこそこに済ませ、いよいよ八丁坂に差し掛かるとタカネグンナイフウロがお目見え。上へ登るにしたがってその数が増え、まさに群生状態。

タカネグンナイフウロ
ミヤマキンポウゲ

 この日の楽しみは、タカネグンナイフウロもさることながら、イワギキョウやチシマギキョウ。これらの花は岩場に咲くので花風景写真にはうってつけの被写体となる。ちょっと不思議だったのは、よく見るとチシマギキョウばかりでイワギキョウがほとんど見られない。乗鞍岳ではイワギキョウが多いのとは対照的である。おそらくこの花だけでも100枚以上は撮影したと思うが、ピンボケだったり構図が悪かったりして出来の良い写真が少なかったのが残念なところ。

チシマギキョウ
チシマギキョウ チシマギキョウ ミヤマリンドウ ミヤマリンドウ

 ミヤマアキノキリンソウは登山道の至るところで咲いていた。午後になると霧が出て見晴らしが悪くなった。しかし、高原とは異なり、森林限界を超えた高所では樹木はハイマツぐらいで、霧に霞む木立を背景にというわけにはいかず、霧を活かして上手く写すのは難しい。乗越浄土の手前まで来るとすっかり霧に包まれ、この先へ足を伸ばすことが躊躇された。ここでハプニング。後ろから私の名を呼ぶ人があり、振り返ってみればかつての職場の飲み仲間が立っていた。

ミヤマアキノキリンソウ
三沢岳 宝剣岳 三沢岳 御嶽に沈む夕陽

 彼らは2泊3日の日程で空木岳まで縦走する予定で、今日は宝剣山荘泊とのこと。久しぶりだから今夜は一緒に泊まって酒でも飲もうかという話になって、急遽、自宅へ電話を入れた。山荘で酒を飲みながら夕食をとっていたら、山荘のスタッフが「霧が晴れて良い天気になり、綺麗な夕陽が見られますよ」とのアナウンス。早速外へ出てみると徐々に霧が晴れて宝剣岳の天狗岩が霧に見え隠れしている。

宝剣岳・天狗岩。右奥は三沢岳。


 夢中になって日没まで写真を撮ったのはよいけれど、時が経つにつれて次第に寒くなり、とうとうクシャミを連発。それもそのはずで、宿泊の準備もなく、半袖シャツにレインウエアーをはおっていただけだったので寒さにやられてしまったのだ。おかげで翌日も一日中鼻がグズグスして気持ち悪かった。まあ綺麗な夕焼けが見られただけでもヨシとするか。

宝剣岳・天狗岩 宝剣岳 御嶽の夕陽 暮れなずむ御嶽
ゴゼンタチバナ ゴゼンタチバナ ヨツバシオガマ ヨツバシオガマ

 翌日は前日とは打って変って晴天に恵まれた。今回も花風景写真が主体であったため、撮影した花の種類は少ない。それでもお馴染みの花や珍しい花にはついついカメラを向けたくなる。ミソガワソウはたった1株しか咲いていなかったが咲き始めたばかりの姿が美しい。クロトウヒレンは、花を付けた姿を初めて見たのだが、藪のようにごちゃごちゃした場所に咲いていたのが惜しい。ヨツバシオガマはさずがにもう終わりがけ。それでも良い場所に咲いていてくれたのはラッキー。

ウサギギク ミヤマダイコンソウ シナノキンバイ ミソガワソウ
バイケイソウ ミヤマホツツジ ミヤマホツツジ ネバリノギラン

 バイケイソウは低地で見るものはもっと背丈が高いのだが、ここではどれもこぶり。もう少し引いて撮ればよかったと思ったが後の祭り。トウヤクリンドウは数株あったものの、どれもが花を閉じており、これは証拠写真。ウメバチソウは草原に咲く花だけに、ここではチラホラ見えるといった感じ。ミヤマホツツジは終盤を迎え、花の色が赤茶けていた。今回は、予定外の成り行きで1泊の山旅となったが、おかげで青空を背景にした写真が撮れた。

ウメバチソウ ムカゴトラノオ エゾシオガマ トウヤクリンドウ
クロトウヒレン ミヤマトリカブト タカネツメクサ チングルマの花後


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