|
木曽駒ケ岳 |
|
Vol.1
08年7月14日(月)
夏の木曽駒には一度も行ったことがなく、今年こそ、と先々週から天候の具合をみていた。土・日曜の混雑は始めからわかっているので、ウイークデーの晴れた日が狙い目。土曜日から梅雨前線が北に上がって晴れが続き、月曜日あたりが良さそうということで、早朝3時に意気揚々と自宅を出発した。途中の中央自動車道では時々小雨がパラついたが大勢に影響はなさそう。
5時40分、バスセンターに到着。思った通りやはり車は少ない。朝6時12分の始発までたっぷり時間があるので缶コーヒーを飲みながら登山の準備。空は曇っているが時間が経つにつれて晴れ間も見えるようになった。バス券売り場の案内嬢に最近の様子を聞くと、昨日の夕方は土砂降りだったとのこと。例年より雪が多いので登山には気をつけるよう、注意もしてくれた。
|
霧が少し晴れてきた千畳敷
|
バスに乗ったお客さんは11人。装備を見るといずれの人も山には通い慣れている感じ。しらび平からロープウエイに乗り継いで、標高2612mの千畳敷まで上ると、外はすっぽりと濃い霧に包まれて山もなにも見えない。風も少しあって肌寒い。ロープウエイの中で居合わせた登山客と話していたら、どうも土地の人のようで、今年は宝剣方面はいつもより花が少ないとのことでいろいろ情報をいただいた。残雪が多い上にこの霧の中では宝剣へのルートも分かりづらい感じがしたので教えられた道へ行ってみることとした。
|
|
|
|
キバナノコマノツメ |
キバナノコマノツメ |
ハハコヨモギ |
ハハコヨモギ |
|
|
|
|
コマウスユキソウ |
コマウスユキソウ |
イワウメ |
イワウメ |
歩き始めてすぐキバナノコマノツメが出迎えてくれた。登山道脇に点々と咲いているのだが、ハイマツの影にかくれていている花が多かったのと、濃い霧のため薄暗く、撮影には苦労した。ところどころにある雪道のトラバースでは、キックステップして足場を確かめながら慎重に歩く。上へ行くにつれて頬に当たる風も冷たくなってきたのでヤッケを2枚重ね着して寒さをしのいだ。
|
|
|
|
ミネズオウ |
ミネズオウ |
ツガザクラ |
ツガザクラ |
|
|
|
|
アオノツガザクラ |
アオノツガザクラ |
イワヒゲ |
イワヒゲ |
高山のせいか、背負ったリュックがやけに重く感じられ、度々休憩をとりながらようやく稜線に出ると、グッと花の種類が多くなった。ハハコヨモギ、コマウスユキソウ、イワウメ、ミネズオウはどれも初見の花。高山ではお馴染みのハクサンイチゲ、チングルマなどもまだ咲き始めて間がないのか、霧の滴を花弁にためてどれも瑞々しい。ツガザクラ類も結構多かった。
|
|
|
|
ハクサンイチゲ |
ハクサンイチゲ |
チングルマ |
チングルマ |
|
|
|
|
コイワカガミ |
コイワカガミ |
タカネツメクサ |
タカネツメクサ |
ミヤマキンバイ、イワツメクサは登山道の両脇の岩肌にしっかりと根を張って風に耐えているようだった。ところどころにミヤマダイコンソウも顔を出している。花だけを見ているとミヤマキンバイとよく似ているが葉の形がまるで異なるので区別は容易。ミヤマシオガマは、一見、ヨツバシオガマかとも思ったが、葉の切れ込みが深いのと、花のつき方から同定した。
|
|
|
|
ミヤマキンバイ |
ミヤマキンバイ |
イワツメクサ |
イワツメクサ |
|
|
|
|
ミヤマシオガマ |
ミヤマシオガマ |
ミヤマダイコンソウ |
ミヤマダイコンソウ |
ハクサンシャクナゲは蕾のものが多く、写真の花を含めて咲いていたのは3株ぐらいだったろうか。上の欄の写真のチョウノスケは、花は咲いている場所が極めて狭く、まさか木曽駒にあるとは思えなかったからなんの気なしに撮ったもの。しかし、ロープウエイ駅の売店で買った「中央アルプス 駒ケ岳の高山植物」という本には、咲いている場所も紹介されている。花の名に自信が持てていたらもう少しがんばって撮ったのに・・・。
|
|
|
|
ハクサンシャクナゲ |
??? |
チョウノスケソウ |
チョウノスケソウ |
|
|
|
|
シナノキンバイ |
シナノキンバイ |
ウラジロナナカマド |
ウラジロナナカマド |
木曽駒のショウジョウバカマは、暗紫色のものが多い。その中で写真の花は珍しく色が薄かった。サンカヨウを見たときは、エッ!
まだ咲いているの?
とびっくりした。それにヒメイチゲも健在。初夏の花がまだ見れるとは嬉しい。最下欄のミヤマゼンコはドクゼリとも似ているので尋ね花で教えてもらって命名。ムカゴトラノオも初見の花。イブキトラノオにしては花穂の様子が少し違うなあ、と思って調べてみたらこの名だった。
|
|
|
|
クロユリ |
クロユリ |
ミヤマタネツケバナ |
ショウジョウバカマ |
|
|
|
|
サンカヨウ |
ヒメイチゲ |
ミツバオウレン |
ミツバオウレン |
遅めの昼食が終わったときには2時を回ってしまっていた。霧は少し晴れてきたとはいうものの、空はどんより曇ってはっきりしない天気。当初は宝剣・中岳にも行くつもりでいたが、八丁坂付近は残雪も多く、足に多少疲労感もあったので遊歩道を1時間余り散策して戻ることにした。ロープウエイ駅に着いて一休みしていたら、突然空が暗くなりバケツをひっくり返したような豪雨。結果的には無理をしなかったのが正解だったようだ。