奥美濃の野草  

Vol.2


09年9月1日(火)
 夜叉ヶ池へは昨年も訪れたが、そのときは途中の道で車のトラブルがあったおかけで思わぬ時間がかかり、池まで行くことができなかった。今回はそのリベンジ。とはいうものの、元々ピークハンティングが目的ではなく、とにかく "登れるところまで登ってみよう" というのはいつもと同じ。現地へ着いたのは10時ごろ。普通に歩けば1時間半もあったら夜叉ヶ池まで登ることができるとのことなのでなんとかなりそう。因みに夜叉ヶ池は標高1,110m、登山口が750mぐらいだから標高差は360mということになる。登った結果では、登り始めの10分間と池の直前の登り10分間がちょっとシンドかったぐらい。あとは緩やかなアップダウン。

ミズタビラコ
ミズタマソウ ミゾホオズキ ミゾホオズキ ナギナタコウジュ

 林道終点駐車場へ着くと、先に停まっていた車からこちに向かって私と同年輩ぐらいの男性が歩いてきた。"登山をされるのですか?"と言うので、"山へ来ているのに変なことを聞くなぁ"とは思ったが "はい、そうです" と答えると、"それならばご一緒させていただけませんか?、一人で登るのはちょっとおっかなくて・・・"。話を聞くと、共に登る予定だった友人が急遽都合が悪くなったとのこと。"私は花の写真撮影が目的なので、休憩の合間に登るようなものですが、それでもよろしければ一緒にどうぞ"ということで同行することとなった。

アキノキリンソウ テンニンソウ ツリフネソウ ツリフネソウ
ヤマジノホトトギス ヤマジノホトトギス オトギリソウ オトギリソウ

 登山口周辺の道路脇には、ミゾホオズキ、ミズタビラコ、ツリフネソウなどの群落がある。それとナギナタコウジュが斜面の一面に咲いているのには驚いた。去年よりわずか2週間ほど早いだけなのだがやはり咲いている花が随分異なる。登山道へ入るとテンニンソウ、ツリフネソウが多い。道を登るにつれてポツポツとヤマジノホトトギスやオトギリソウなどが見え始めた。

ホツツジ カニコウモリ アカミノイヌツゲ アカミノイヌツゲ
ノササゲ オオヤマサギソウ オクモミジハグマ オクモミジハグマ

 ホツツジは昨年よりかなり数も多く、花も元気が良さそう。今がちょうど最盛期に当たるのかな。ノササゲは、先日の奥伊吹で見たばかり。これも綺麗に咲いていて、数箇所で見かけた。この山は、カニコウモリ、オオカニコウモリ、オクモミジハグマ、クルマバハグマなどの花が多い。今年はクルマバハグマはほとんどが蕾の状態で開いている花がなかった。来週か再来週あたりが見ごろかもしれない。

アキギリ
アキギリ アキギリ カメバヒキオコシ カメバヒキオコシ

 登山道を歩いていて、"アキギリ、クロバナヒキオコシが咲いていないなあ"と思いつつ探していたら、登山道の半分を少し過ぎたあたりからアキギリが顔を見せ始めた。花の様子からするとこれから咲き始めるところのようだ。クロバナヒキオコシは夜叉ヶ池の寸前のところへ来てようやく見つけることができた。これもこれから咲くのだろう。ところで、アキギリは他のホームページで同じ場所で撮ったものが「オオアキギリ」と紹介されていた。どちらが正しいのかな?(ここではアキギリとしておきます)。

クロバナヒキオコシ
オオカニコウモリ カワチブシ ミヤマトウキ? 幽玄の滝

 ひょんなことから同行の男性と登ることになったが、二人とも異口同音に"もし、あなたが居なければ夜叉ヶ池までは登らなかったでしょう"という言葉が口に出た。私は、アキギリ、クロバナヒキオコシがこんな山の上でしか見れないのだったら、途中で諦めて引き返していただろう。そういう意味では同行していただけたことに感謝しなければならない。しかも、カライトソウ、リンドウ、チョウジギクなど、予期しない花まで見ることができたのは望外の喜びだった。

昇龍の滝 ミゾソバ ツルリンドウ イワショウブ
カライトソウ カライトソウ リンドウ リンドウ

 夜叉ヶ池から三周ヶ岳へはそれほど時間をかけずに登ることができるが、時計を見ればもう2時。それに昼食もまだ食べていなかったので、ここで休憩した後、下山することにした。夕方には旧友と集っての飲み会があるのだが、この調子ではどうも遅れそう。帰り道ではあれほど探したクロバナヒキオコシが随所に咲いていた。時間的なものもあるのだろうか。ともかく、今回の登山はまずまずの成果だった。

チョウジギク
ツルニンジン 三周ヶ岳 夜叉ケ池から麓方面 夜叉ケ池


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