|
石 雲 寺
| |
Vol.1
2006年2月9日(金)
石雲寺は、昨年新城市と合併した旧鳳来町に古くからある名刹。東名高速道路の豊川インターチェンジを降りて国道151号線を北へ約30分。宇連ダムと大島ダムに挟まれた「JR三河川合」駅近辺が名号という地名。ここに約450年前の永禄元年(1558年)、霊光和尚によって開基された寺があった。境内の至るところから清水が湧き出るのを見て、水源山石雲寺と命名されたのだという。
|
水源山石雲寺
|
名古屋地方も全国的な寒波のあおりを受けて、寒い日が続いている。この日は絶好の快晴。しかし、寒気は厳しく、ハンドルを持つ手が冷たい。今日の目的は、セツブンソウの撮影。花名の由来は、文字通り節分の頃に花が咲くことから。石雲寺では1月下旬から咲き始め、節分を迎えるあたりが見ごろとのインターネット情報だけが頼りの撮影行。
2月も中旬を過ぎると、滋賀県の伊吹山麓でもセツブンソウが見られるのだが、それより3週間も早い開花とあって、待ちきれずにわざわざ出かけたという次第。寺に着いてみると、屋台で売っている五平餅の香ばしい匂いがプ〜ンと漂ってくる。食べてみたい衝動を抑えて、まずは花の撮影優先。カメラを持った客もたくさん訪れており、名古屋から来たという老境にさしかかった3人連れの女性もいた。
境内に入ると縄張りされた観察路が設けられている。かって、花見の客によってセツブンソウが踏みにじられて減ってしまったことから、寺の住職が保護しているとのことで、今では群生するまでに回復したのだという。セツブンソウは庭を流れるせせらぎに沿って小さな白い花を咲かせていた。
入口には梅の木に混じって蝋梅がいかにも古寺に相応しく、しっとりとした黄色の蕾を付けている。そのうちの何輪かは8分咲きの花が開いて青空に映えていた。ここの蝋梅は「満月蝋梅」というのだそうで、形が丸く色も鮮やかな感じがする。
石雲寺の情報をインターネットで検索していたら、昨年の2月下旬に愛知県民の森でセリバオウレンを見たと書いてあったので帰り道に寄ってみた。森の中を流れる槇原川沿いを歩いてみたが見つからず、しばらく花を探しながら散策していたらルリビタキが小枝や枯葉の上に止まっている。今年初めての青い鳥なのにデジスコを持ってこなかったのが残念。
山肌に小豆ほどの小さな白い花が咲いていた。"もしや、これがあの花かな"と近くで確認したところ紛れもなくセリバオウレン。青い鳥に誘われて来れたようなもので、まさに幸運を呼ぶ鳥だった。