奥伊吹の花  

Vol.7

09年8月27日(木)
 夏の奥伊吹は2回目で4年ぶりになる。今年は雨が多くて川が増水したため渡渉ができない日が続き、とうとうイワタバコの時期を逸してしまった。"こうなれば秋まで待つか"とも考えたが、ちょっとしたいきさつがあってこの日の訪問となった。平成6年に来たときの写真を見ると花の種類は少なく、正直言って、今回も花はあまり期待していなかった。ところが、その当時と今とでは野草に対する興味の度合いも深くなっており、歩いた距離も長かったこともあって意外に多くの花が見れた。

マルバルコウ ??? ヌスビトハギ ミズヒキ
ヤマジノホトトギス フユイチゴ ノブキ ノブキ

 奥伊吹へ向かう前に、伊吹野のイカリソウが咲いていたポイントへ寄ってみた。「???」はこの1株だけが咲いていた(実かもしれない)が名前が分からない。そこで見れた花は最初の4枚ぐらいのもの。これではなんともならないので奥伊吹へ向かった。車で走っている途中に、ネットの野草仲間の作品展が開催されていることを突然思い出し、道の駅「旬彩の森」へ寄ってみた。8月30日が最終日ということで、幸い間に合った。

 今日の目的地は五色の滝。登山口には車2台分ほどの駐車スペースがある。それでもここは滅多に満車になることはない(笑)。さて、山道へ入るとまずマツカゼソウが目に付いた。この花はいかにも涼しげで気に入っている花の一つ。川の辺まで行くと、ありました〜、ミズタビラコ。この日の写真も周囲の環境に拘って、背景に滝を配置してみた。花は非常に小さいのでこの構図で撮ろうとするとどうしても超広角が必要になる。

マツカゼソウ ミズタビラコ ミズタビラコ ミズタビラコ
オトコエシ フシグロセンノウ イワタバコ ハグロソウ

 山道の両側にはオコトエシが続いている。少し先へ行くと、フシグロセンノウの群生地へ出た。"最盛期にはちょっと遅いかな" という感じ。歩いていると、道端に紫色をした花片が落ちていたので "なんだろう" と思って山の斜面を見たら、なんとイワタバコが咲いていた。もう一つはまだ蕾。たった2株しかなかったけれど、まさかこの時期にこんなところに咲いているとは思わなかったのでびっくり。その傍にはハグロソウ。これも出会ったのはこの1輪だけ。

ツルボ ツリフネソウ ノササゲ ソバナ
五色の滝 五色の滝 オトギリソウ ミヤコグサ

 登山道は、渓流の渡渉を数回繰り返し、途中に大小の滝を見ながら徐々に高度を上げていく。この日は天気が良いのはいいとしても、コントラストが強くなりすぎて滝の写真を撮るには不向き。やはり朝の柔らかい光が良い。特別珍しい花もない代わりに、歩いている間中、ボチボチではあっても「何か」の花が見れるのはいい。いつもは最初の滝で引き返して来るのだが、散策コースどうなっているのか知りたくて、今回初めて散策路を完全踏破した。森を抜けるとアスファルト舗装された林道に出た。川沿いにこの道を下って行けば駐車した場所へ戻ることができる。

メハジキ(葉は分かれておらず、幅は狭い) メハジキ(葉は先の方で分かれ、幅が広い)
カワミドリ ホツツジ イヌトウバナ コマツナギ

 伊吹山に限らず、伊吹野、奥伊吹へ来たら余程のことがないかぎり、湿原にも寄ることとしている。前回訪れたときにはまだミミカキグサが咲いていなかったが、今日はバッチリ。サギソウもまだまだがんばっていた。この湿原に入った時刻がちょうど2時ぐらいだから、まさに「羊の刻」。"ヒツジグサが間違いなく咲いているはず"、とポイントを見れば思った通り、かなりの数の花が咲いていた。ここでこんなに多くの花を見るのは初めて。増えたのだろうか。

サワギキョウ サワギキョウ ミミカキグサ ヒツジグサ
ヒツジグサ ヒツジグサ サギソウ サギソウ


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