奥伊吹の花  

Vol.2


06年6月3日(土)
 昨年からその名が持つ言葉の響きに魅かれて、春になったら是非にも見てみたいと願っていた奥伊吹「五色の滝」への想いが、初夏になってようやく実った。伊吹山関連のウェブサイト情報ではかなり山が荒れているとのことだったが、実際に訪れてみると想像以上のものがあり、冬の積雪がいかに凄まじいものであったかを知ることとなった。

奥伊吹・五色の滝

 登山道が荒れているだけならまだしも、熊の出没、マムシ情報などもあり、しかも初めての地に一人で行くのは躊躇しないでもなかったが、それよりも"見たい"という気持ちの方が強かった。現地の近くで農作業をしていたオバチャンに登山道への入り口を聞き、行ってみるとやっぱり登山口直前のところが落石のため通行できなくなっていた。

 止む無くそこに車を止めて歩き出すと、山の崖の辺りにイワツバメの群れが飛んでいた。どうやら崖に着いている苔を食べに来ているらしい。写真を撮ってみたものの、70-300mmの望遠ズームでは小さくて何が写っているのかわからない程度にしか撮れなかった。

 登山道に入ると早速初見の花のお出迎えを受けた。このぶんではいろいろ珍しい花に出会えそうだと期待が膨らむ。登山道は沢に沿って設けられており、ところどころで沢を渡る。丸太を2本組んだだけの橋もあれば、何もなくて飛び石伝いに渡らなければならないところもあり、スリリングな道。

タニギキョウ フタリシズカ ムラサキキケマン アギスミレ
エビネ コケイラン ミヤマキケマン ミズタビラコ

 驚いたのは 2、3箇所登山道が崩落して道が途絶えてしまっていたことで、なんとか数日前に人が歩いたと思われる踏み跡を探して進むことができた。前後には一人も居らず、心細い思いをしながら登っていくと、沢筋にコケイラン、タニギキョウ、ミズタビラコが群生しているところがあり、これも初物とあってしばし見とれていた。それと、珍しい濃い赤紫をしたムラサキキケマンも見ることができた。

ハナムグラ ヒロハテンナンショウ タニウツギ カキドオシ
ミズタビラコ ミズタビラコ ニガナ サワハコベ

 帰路は、周遊コースもあるようだったが来た道を引き返すことにした。途中、お目にかかりたくないニョロニョロさんにも出会った。不意に噛まれるといけないので、木の棒で前の道を突付きながら歩いていたおかげで、こちらが近づく前に退散してくれてヤレヤレ。

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