奥伊吹の花  

Vol.1

06年5月5日(金)
 「奥伊吹」は、米原市の最北端にあるブンゲン山(1,260m)から山麓にかけての一帯をいい、奥伊吹スキー場があることで知られる。ところがブンゲン山は、滋賀県で伊吹山、金糞岳に次ぐ第3位の高さがあるにもかかわらず、国土地理院の2万5千分の1地図にも山名が記されていない。そうしたことが知名度の低く、奥伊吹の名の方が有名となっている所以でもある。

 スキー場入り口付近(728m)から山頂直下までリフトが設置されている。ただし、リフトが運転されるのはスキーシーズンだけなので、頂上へは標高差530m程を登ることとなる。奥伊吹では、春の雪解けとともにオオバキスミレやピンク色のミスミソウ、スハマソウを見ることができる。

 ゴールデンウイークも中盤を過ぎ、高速道路は帰省客のUターンが始まりかけている。この日も渋滞が予想されたため、花を見るには少々時間的に早いとは思ったが早朝5時半に自宅を出発した。目論見通り高速道路の流れは順調で、7時半前には現地に到着した。スキー場のリフト乗り場周辺には家族連れや若者が色とりどりのテントを張ってキャンプをしており、朝食の準備をしていた。

ミヤマカタバミ


 ゲレンデの林縁に沿って花を探しながら山を登る。今日の目的はピンクのミヤマカタバミとミスミソウ。伊吹山診療所のHPに「奥伊吹で咲いていた」との情報だけが頼り。先日の赤坂山・三国山登山の疲れがまだ完全にはとれておらず、多少の足の張りが残っているものの、山の勾配は緩やかでそれほど苦痛は感じない。まず出会ったのは、やはりスミレ。

タチツボスミレ フイリシハイスミレ オオバキスミレ フモトスミレ

 数箇所せせらぎがあって水辺まで降りてみた。やはりミヤマカタバミがあったが、時間が早いためまだ花は閉じている。花弁の色を見ると、いつも見慣れた白色よりむしろピンクのほうが多い。すぐ傍にはオオバキスミレが群生しており、こちらの方は黄色の花が同じ方向を向いて咲き競っていた。陽が照るのを待ってミヤマカタバミを撮影。

ミヤマカタバミは、ピンクがほとんどだった。

 リフトに沿ってゲレンデを登っていくと、山の崖っぷちにイワウチワの群落があった。斜面が急な上、砂地で足場になるものが無く、登るのは無理。手に届く範囲のところに咲いているものだけを撮った。こここのイワウチワは、葉が赤坂山のものと比べて小さく、色も濃いような気がした。

ショウジョウバカマ イワウチワ ハルトラノオ ヤマネコノメソウ
コチャルメルソウ マルバコンロンソウ? キランソウ ウマノアシガタ

 しばらくすると展望台があった。そこから尾根状の道があり、その向こうの急な斜面の上にもリフトがある。おそらくそこがスキー場の最上部なのだろう。行ってみたい気もしたが思い止まり下山することとした。帰り道は別のゲレンデを通ってみたが植生はあまに変わり映えがしない。杉林のあるところなどでミスミソウを探したが見当らない。hatabo先生に聞いておくのだったと後悔しても後の祭り。

 帰路は伊吹野の集落内の道を通り、所々で車を止めて道端に咲く花などを撮った。先月アズマイチゲを撮ったところへ寄ってみたら大きなイチリンソウが咲いていてびっくりした。名神高速・関ヶ原I.Cへ行くまでの道の随所にシャガが特徴のある大きな花を咲かせていたのが印象的だった。

イカリソウ イチリンソウ クサボケ ニリンソウ
シャガ カキドオシ イチゴ オドリコソウ

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