奥伊吹の花  


 「奥伊吹」は、米原市の最北端にあるブンゲン山(1,260m)から山麓にかけての一帯をいい、奥伊吹スキー場があることで知られる。ところがブンゲン山は、滋賀県で伊吹山、金糞岳に次ぐ第3位の高さがあるにもかかわらず、国土地理院の2万5千分の1地図にも山名が記されていない。そうしたことが知名度の低く、奥伊吹の名の方が有名となっている所以でもある。

 スキー場入り口付近(728m)から山頂直下までリフトが設置されている。ただし、リフトが運転されるのはスキーシーズンだけなので、頂上へは標高差530m程を登ることとなる。奥伊吹では、春の雪解けとともにオオバキスミレやピンク色のミスミソウ、スハマソウを見ることができる。

五 色 の 滝

06年8月5日(土)
 そろそろイワタバコが見られる季節を迎え、イソイソと五色の滝に出かけた。あまり朝早く出かけても光量が足りないので現地へは8時に到着。山路は6月に訪れたときより更に荒れており、おまけに草が繁茂して道筋さえわからないほどで、何度もルートを間違えた。真夏のせいなのか、歩いていても花の種類は思ったほど多くなかった。

奥伊吹・五色の滝

 登山道の入り口ではコマツナギ、クサフジ、オオマツヨイグサなどが見られた程度。ムラサキニガナは初めての花。やっぱり知らない花を見つけると嬉しいものだ。他にも2種類(下の三行目左側)見たけど名前が分らない。ただ残念だったのは、沢を渡る橋が流されていてこの日の目的だったイワタバコの咲くところまで行くことができず、写真が撮れなかったこと。

オオマツヨイグサ コマツナギ オトギリソウ ヤマアジサイ
ムラサキニガナ クルマバナ ダイコンソウ ミズヒキ
??? ??? フシグロセンノウ ミズタビラコ



06年6月3日(土)
 昨年からその名が持つ言葉の響きに魅かれて、春になったら是非にも見てみたいと願っていた奥伊吹「五色の滝」への想いが、初夏になってようやく実った。伊吹山関連のウェブサイト情報ではかなり山が荒れているとのことだったが、実際に訪れてみると想像以上のものがあり、冬の積雪がいかに凄まじいものであったかを知ることとなった。

奥伊吹・五色の滝

 登山道が荒れているだけならまだしも、熊の出没、マムシ情報などもあり、しかも初めての地に一人で行くのは躊躇しないでもなかったが、それよりも"見たい"という気持ちの方が強かった。現地の近くで農作業をしていたオバチャンに登山道への入り口を聞き、行ってみるとやっぱり登山口直前のところが落石のため通行できなくなっていた。

 止む無くそこに車を止めて歩き出すと、山の崖の辺りにイワツバメの群れが飛んでいた。どうやら崖に着いている苔を食べに来ているらしい。写真を撮ってみたものの、70-300mmの望遠ズームでは小さくて何が写っているのかわからない程度にしか撮れなかった。

 登山道に入ると早速初見の花のお出迎えを受けた。このぶんではいろいろ珍しい花に出会えそうだと期待が膨らむ。登山道は沢に沿って設けられており、ところどころで沢を渡る。丸太を2本組んだだけの橋もあれば、何もなくて飛び石伝いに渡らなければならないところもあり、スリリングな道。

タニギキョウ フタリシズカ ムラサキキケマン アギスミレ
エビネ コケイラン ミヤマキケマン ミズタビラコ

 驚いたのは 2、3箇所登山道が崩落して道が途絶えてしまっていたことで、なんとか数日前に人が歩いたと思われる踏み跡を探して進むことができた。前後には一人も居らず、心細い思いをしながら登っていくと、沢筋にコケイラン、タニギキョウ、ミズタビラコが群生しているところがあり、これも初物とあってしばし見とれていた。それと、珍しい濃い赤紫をしたムラサキキケマンも見ることができた。

ハナムグラ ヒロハテンナンショウ タニウツギ カキドオシ
ミズタビラコ ミズタビラコ ニガナ サワハコベ

 帰路は、周遊コースもあるようだったが来た道を引き返すことにした。途中、お目にかかりたくないニョロニョロさんにも出会った。不意に噛まれるといけないので、木の棒で前の道を突付きながら歩いていたおかげで、こちらが近づく前に退散してくれてヤレヤレ。



ブ ン ゲ ン 山

06年5月5日(金)
 ゴールデンウイークも中盤を過ぎ、高速道路は帰省客のUターンが始まりかけている。この日も渋滞が予想されたため、花を見るには少々時間的に早いとは思ったが早朝5時半に自宅を出発した。目論見通り高速道路の流れは順調で、7時半前には現地に到着した。スキー場のリフト乗り場周辺には家族連れや若者が色とりどりのテントを張ってキャンプをしており、朝食の準備をしていた。

ミヤマカタバミ


 ゲレンデの林縁に沿って花を探しながら山を登る。今日の目的はピンクのミヤマカタバミとミスミソウ。伊吹山診療所のHPに「奥伊吹で咲いていた」との情報だけが頼り。先日の赤坂山・三国山登山の疲れがまだ完全にはとれておらず、多少の足の張りが残っているものの、山の勾配は緩やかでそれほど苦痛は感じない。まず出会ったのは、やはりスミレ。

タチツボスミレ フイリシハイスミレ オオバキスミレ フモトスミレ

 数箇所せせらぎがあって水辺まで降りてみた。やはりミヤマカタバミがあったが、時間が早いためまだ花は閉じている。花弁の色を見ると、いつも見慣れた白色よりむしろピンクのほうが多い。すぐ傍にはオオバキスミレが群生しており、こちらの方は黄色の花が同じ方向を向いて咲き競っていた。陽が照るのを待ってミヤマカタバミを撮影。

ミヤマカタバミは、ピンクがほとんどだった。

 リフトに沿ってゲレンデを登っていくと、山の崖っぷちにイワウチワの群落があった。斜面が急な上、砂地で足場になるものが無く、登るのは無理。手に届く範囲のところに咲いているものだけを撮った。こここのイワウチワは、葉が赤坂山のものと比べて小さく、色も濃いような気がした。

ショウジョウバカマ イワウチワ ハルトラノオ ヤマネコノメソウ
コチャルメルソウ マルバコンロンソウ? キランソウ ウマノアシガタ

 しばらくすると展望台があった。そこから尾根状の道があり、その向こうの急な斜面の上にもリフトがある。おそらくそこがスキー場の最上部なのだろう。行ってみたい気もしたが思い止まり下山することとした。帰り道は別のゲレンデを通ってみたが植生はあまに変わり映えがしない。杉林のあるところなどでミスミソウを探したが見当らない。hatabo先生に聞いておくのだったと後悔しても後の祭り。

 帰路は伊吹野の集落内の道を通り、所々で車を止めて道端に咲く花などを撮った。先月アズマイチゲを撮ったところへ寄ってみたら大きなイチリンソウが咲いていてびっくりした。名神高速・関ヶ原I.Cへ行くまでの道の随所にシャガが特徴のある大きな花を咲かせていたのが印象的だった。

イカリソウ イチリンソウ クサボケ ニリンソウ
シャガ カキドオシ イチゴ オドリコソウ