伊吹山九月の花  

Vol.9

12年9月6日(木)
撮影に出かけるときは「どんな花をどのように撮るか」というイメージを事前に想い描いておくことが多い。もちろん、当日の天候や花の咲き具合によって予定した通りにいかない場合も多々ある。先日の入笠山では見事に目論見通りの天候に恵まれ、予期した以上の成果が得られた。今回の伊吹山は、苦手な花の群生写真に挑戦。伊吹山では晴れても霧が出ていても、こちらがそれに合わせて柔軟な対応をすればそれなりに楽しませてくれる貴重な山である。

クサボタン クサボタン ミツバフウロ ミツバフウロ
ダイモンジソウ

山頂へ行く途中には1カ所だけ白花のクサボタンが咲く場所があり、毎年その姿を見ることができる。ダイモンジソウは、数年前に咲いているのを見つけて以来、時期になると必ず立ち寄っているが、咲いている場所が遠かったり障害物があったりして思うような写真が撮れない。上欄に掲載した写真のうち右側の2枚はかなりトリミングをしたもの。

サラシナショウマ サラシナショウマ イブキトリカブト イブキトリカブト
シオガマギク シオガマギク コイブキアザミ タムラソウ

さて、本題の群生写真。今までこうした写真はあまり撮っていなかっただけに暗中模索での撮影。結果を見ると、空模様の状態や構図のとり方によって、絞り値にはいま一つ工夫が必要と感じた。最近買い求めた、夏梅陸男「作品集 花景色」(1992/9/5 講談社)という本の「あとがき」の中で、著者は「花の撮影で大切なことは、客観的か主観的かこのどちらかに徹することである。」と書いている。この作品集では主観的な表現を目指した作品集となっているようだ。

アキノキリンソウ クサフジ ツルニンジン クサボタン
イブキトリカブト アキチョウジ イブキコゴメグサ イブキコゴメグサ

夏梅陸男氏のカテゴリに従うと、現在、自分が撮っている写真は、どちらかと言えば客観的表現(植物を生態的に撮る)を重視したものといえる。対して主体的な撮り方とは、「生態を気にせず、植物を借りて作者の感性と写真的センスで思うままに自分の内にある感情や抒情を表現すること」とされ、カメラアングルによっても多きな差異が生ずるという。これはプロの感覚で、このことによって直ちに自分が主観的な写真に移行するつもりはない。まずは「花風景写真」ある程度追及してからのことと思っている。

クサボタン
ゲンノショウコ ツリガネニンジン イブキレイジンソウ イブキレイジンソウ

話が飛躍してしまった。伊吹山へ戻ろう。ヒナノキンチャク(雛の巾着)は、ヒメハギ科ヒメハギ属の1年草。草丈は10cm前後で、個々の花は僅かに2mm程度の大きさ。果実の形が小銭を入れる巾着に似ており、小 さくてかわいらしいことからこの名がある。この花は咲く場所を詳細に教えてもらわない限り自分で見つけるのは非常に困難。これまで何度も同じ場所で撮っているにもかかわらず、最初の1輪を見つけるまでにしばらく時間を要した。

ヒナノキンチャク
ヒナノキンチャク ヒナノキンチャク マネキグサ マネキグサ



inserted by FC2 system