伊吹山八月の花  

Vol.12

11年8月16日(木)
時あたかもお盆の真っただ中。高速道路は帰省客がドッと繰り込み、どこも大渋滞を引き起こしている。何もこんなときに出かけなくとも良さそうなものだが、花の旬だけは待ってはくれない。今年はどこの山でも野草の開花が遅れ、伊吹山では例年ならば最盛期は過ぎているはずの時季なのに、今が花の見頃とあっては出かけずにはいられない。NEXCOの渋滞予測によれば、往路の渋滞は大したことがなさそうで、帰路が20kmの渋滞とあった。ならば帰路は一般道を利用して帰宅と決めた。

ルリトラノオ
ルリトラノオ

予想したとおり、伊吹山頂のお花畑はシモツケソウ、ルリトラノオが満開。しかし、何度も触れたように西遊歩道から山頂にかけてはアカソ、テンニンソウが蔓延り、東遊歩道は笹に覆われていて、せっかくの景観を損なっている。これも自然の摂理で、草には罪が無いとはいうものの、野草ファンにとってはチト淋しいものがある。今年は何故かコオニユリの姿をあまり見かけなかった。アカソに駆逐されてしまったのだろうか。

コオニユリ クサボタン コイブキアザミ サラシナショウマ
シモツケソウ シシシモツケソウ キオン キオン

キオンは東遊歩道の西斜面を黄色く染めるほど咲いており、ところどころで他の花と縞模様を描くように群生していた。残念ながら、クサボタンはほとんどが蕾。花弁をクルリとカールさせた花姿が好きなのだが、咲くまでにはもうしばらくかかりそう。山頂に至ってようやくいつもの伊吹山らしく、色とりどりの花が見られた。メタカラコウは終盤を迎えていたが、シシウドがニョキニョキと頭を出し、わが世の春を謳歌しているかのよう。

イブキコゴメグサ
マネキグサ

山頂での撮影を終えたのは昼近く。駐車場に戻って車内で昼食。次の予定は笹又道。ここではイブキコゴメグサが咲き初めており、運が良ければマネキグサに会えるかもしれないと期待して、北尾根取り付きに車を駐車し、急な坂道を下る。あとは比較的なだらかな道なので登山道の両脇に咲く花を愛でながらゆっくり歩く。ただ、道が細いのでうっかり足を踏み外すと斜面を転がり落ちてしまうので要注意。いつものポイントまで行くと、咲き始めたばかりのマネキクザが、オイデオイデと呼んでいた。

クサボタン クサボタン ミツモトソウ キンミズヒキ
ツリフネソウ ゲンノショウコ クルマバナ イブキレイジンソウ

山を下山したのは2時半。いつもの湿原へ立ち寄っても夕食までには帰宅できそうなので、いそいそと現地へ向かった。湿原手前の狭い駐車スペースには先客の車が3台駐車していた。猪除けのゲートを開け、湿原へ着いたとたん、真白なサギソウがワンサと咲いて出迎えてくれた。今年は心なしかいつもの年より数が多いように見受けられた。なんとか目新しいアングルで写真を撮りたいとそれなりに工夫してみた。今回は、事前に思い描いていた花たちのほとんどを見ることができ、大満足。

サギソウ
サギソウ



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