伊吹山六月の花  

Vol.7

11年6月28日(火)
 6月の伊吹山を訪れるのは2年ぶりのこと。同じ6月と言ってもその年の気候状況によりかなり様相が異なる。2年前にはすでにシモツケソウが見られたたのに今年はまだ開花に至っていない。イブキトラノオもようやく花穂を出し始めたばかり。その代わりクサタチバナが全山を白く染めていた。ドライブウエイの入口へ着いたのは10時ぐらい。いつもとちがって今回は車の左右に咲く花を観察しながらゆっくりと車を走らせ、途中で撮影しながら登ったため、山頂駐車場に到着したときには12時近くになっていた。

ミゾホオズキ キバナハタザオ サワフタギ ヤマボウシ
ヒメフウロ

 ヒメフウロは私の好きな花で、花と葉のバランスが良くて写真が撮りやすいこともあり、見れば必ずカメラを向ける。ただ、山の斜面にへばりつくようにして咲いているのでなかなか意図したようには撮れない。クサタチバナはできるかぎり山に咲く雰囲気が出るようにと撮ったつもりだったが、横着をしてマクロレンズ1本で撮ったため背景の描写が弱くなってしまった。やはりこまめなレンズワークを心がけなければならないと反省。

クサタチバナ
ヒヨクソウ

 ヒヨクソウもいたるところで目にすることができた。随分背丈も伸び、今が満開といったところ。花が小さいため撮影していると何をしているのか疑問に思うらしく、傍を通りがかった数人に花の名を聞かれた。このような小さな花を撮るときにはできるだけ露出を絞り込むのだが、それでも背景が分かるように撮るのは難しい。かと言って、超広角レンズを使用したのでは花が目立たなくなり、そういう意味では被写体となる花とレンズの選択が難しい。

グンナイフウロ
グンナイフウロ

 グンナイフウロは、やや最盛期を過ぎた頃だろうか。それでもあまり傷んでいない花も数多くあって、どれを撮ろうかと迷うばかり。花の色は白っぽいものから青紫、濃いピンクまで様々。当日の天気は薄曇りであったので白飛びもせず、なんとか思うような色に写すことでできたと思う。これも全てマクロレンズを使用したが、少し広角系のレンズを使用したほうが良かったかもしれない。

カノコソウ
イブキノエンドウ イブキシモツケ アキグミ クルマバムグラ

 カノコソウは写真的には難しい花だ。白飛びを抑えようとすると背景が暗くなりすぎるし、1輪だけを撮ってもなかなか絵にはなりにくい。かと言って群生しているものは少なく、花選びにはいつも苦労させられる。山頂に咲くオドリコソウは里で見る花と比べると背丈が低く、周囲の草に埋もれてしまうものが多い。ミヤマコアザミはこれから咲き始めるところで、花を付けていたのはたった1輪。これは証拠写真。イブキトラノオは、いつも群生しているところでもチラホラ見られる程度。キバナノレンリソウは、この日確認できたのは数輪だけだった。

オドリコソウ コバノミミナグサ ヒメレンゲ ミヤマコアザミ
イブキトラノオ イブキトラノオ キバナノレンリソウ キバナノレンリソウ

 登山開始時刻が遅かったため、下山したときには午後4時を回っていた。最後にいつも立ち寄る湿原に行ってみると、トキソウはすでに花を終え、わずかに咲き残った数輪の花が見れただけ。逆にカキランはまだ咲き始めたばかりらしく、初々しい姿を見せてくれた。いつもはあまり見かけないコバノトンボソウが散策路脇に数株咲いていた。モウセンゴケの仲間はまだ花を付けるに至らず、もうしばらく日数がかかりそう。

カキラン
トキソウ トキソウ コバノトンボソウ ハッチョウトンボ



inserted by FC2 system